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[84256] 夕刻の散華

詩人:はちざえもん

砂塵巻き上げた後で緩やかに笑う
傷痕を隠せば二つ 染み入る涙の螺旋状
戻れはしない旅路告げ 戦地に赴く箱の中
思い出しては告げる 母の顔

片道切符の夢飛行 涙に滲んで笑えない

勇んで飛び入る夏の虫
夕刻の高揚 口にはすれど
思い出すのは 父の顔
重なる夕陽に 笑えない

紙、風吹きて舞い上がる 燃えて墜ちるは一滴
狂い狂いに空を這う 片道切符の走馬灯

この場所の 空を愛した 海を愛した 山を愛した 里を愛した

人を愛した

ただそれだけのこと


ただ それだけのこと

2007/11/29 (Thu)
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