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はちざえもんの部屋


[42] 夕刻の散華
詩人:はちざえもん [投票][得票][編集]

砂塵巻き上げた後で緩やかに笑う
傷痕を隠せば二つ 染み入る涙の螺旋状
戻れはしない旅路告げ 戦地に赴く箱の中
思い出しては告げる 母の顔

片道切符の夢飛行 涙に滲んで笑えない

勇んで飛び入る夏の虫
夕刻の高揚 口にはすれど
思い出すのは 父の顔
重なる夕陽に 笑えない

紙、風吹きて舞い上がる 燃えて墜ちるは一滴
狂い狂いに空を這う 片道切符の走馬灯

この場所の 空を愛した 海を愛した 山を愛した 里を愛した

人を愛した

ただそれだけのこと


ただ それだけのこと

2007/11/29 (Thu)

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