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[29076] 初恋

詩人:黒夢

初恋というものを迎えてから
随分と、長い年月が過ぎた。

消えない想いを抱えたまま
今尚、流れる涙はあの時の温かさのまま。
生温く、半端に優しい。

涙を流して流して。
それでもやはり、忘れることは出来ず。

再び出会った気まずさの中で
僕等は曖昧に笑った。

あの日言えなかった想いと
今、伝えてしまいたい想い。

きっと
その左手の薬指に何もなかったら
何の躊躇いもなく伝えていただろうに。

流れていった涙が
今度は冷たくて。

上気した僕の顔を
冷やしていった。

長い長い初恋が

ようやく終わってくれた。

2005/03/06 (Sun)
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