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[176435] 月の欺瞞

詩人:さみだれ

誰かに認めてもらいたいと
多くの詩を書いたとしても
それは雨のように
一粒一粒を気にするものはいない

好きだの愛してるだの
あなたは何万回書いただろうか
そうじゃない
もっと楽しませてよ!

共感を求めるあまり
自分らしさを無くす
わざとらしく悲観しては
にたにたと褒美を待つ
いやらしい手

昨日まで流行っていたね
今日からは廃っていくよ
面白いほど目まぐるしく
あなたの詩は過去へと追いやられる

忘れたんだ
それほどまでに凡庸な詩を
私たちは書いているという事実

人は貶されるのを嫌う
奮い立つこともせず
哀れなものだ
向上心なんてものはまやかしだったのだ


そう、これは世界の終わり
私はとけ込まなくてはならない
"騙されてはならない
あれは月からの有害な電波であり
それには何の意味も含まれてはいない"

2012/05/22 (Tue)
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