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さみだれの部屋  〜 「ワールド・エンド」への投 票 〜

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[183885] ワールド・エンド

詩人:さみだれ

そのしがない老婦人は
孫にあげるプレゼントを探し町を歩いていた
その目には子供のような無邪気さを覗かせ
湧き上がる高揚を堪えながらもしかし軽い足どりだった
それでも世界は終わる
風船のようにふわりふわりと

彼女は約束の時間を気にしていた
バーで落ち合う恋人に嫌われないように精一杯のお洒落をして
その手には初めて繋いだ恋人の手の温もりがあり
思い出せば自然と出てくる笑みを堪えながらも心は踊っていた
それでも世界は終わる
カクテルが夕日色に染まる明けにはもう

家族で出かける初めての旅行
父はガイドブックを一心に読んでいた
母は眠る我が子の手を握り窓の外を眺めている
太陽は穏やかに空を青く見せて
その空を狼は木陰から仰いだ
それでも世界は終わる
初々しくはしゃぐように

パーティーはつまらない
いつも仲間はずれだから
私はさみしんぼうのうさぎなのに
いっつも「部屋にいなさい」 って言われるの
それでも世界は終わる
私がゴロンと横になると
世界は色とりどりにくだけ散るの
ニュースの終わりのように
とても静かに

2014/01/30 (Thu)
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