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[105434] 研磨

詩人:遥 カズナ


金属を美しく磨ぐには

一定の力で均一に等間隔の滑らかな8の字を描くように揺り動かさねばならない

欲は加減を歪ませ
見合わない背伸びは
その表面に磨き手の顔を
ぐにゃぐにゃに おぞましく映しだす

かと言って無欲では
緊張感がたるみ
ガラス鏡のような
細密にして鋭利な様相を取りこぼしてしまう

と言うよりも
磨き手の目に見えている事など全くあてにはならない

素に指先で触れた感触と
丹精を込めた誠実さが

一漕ぎ 一漕ぎを…

さながら
舟を駆る 揩のリズムのように なだらかに
テンポよく
繋がらねばならない

そう それは
良く晴れた空を映す
湖を行くように

ありのままに

リズミカルに




2007/07/28 (Sat)
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