詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
夕暮れのヤシの木の肌は
嫉妬のような日の熱い眼差しに
きめ細かなブラウン管の三色
青、黄、赤…の光る粉が
触れたならサラサラとこぼれるように鮮やかに息づいている
台風の度に生死の境目さえ知るその腕は
こんな優しい午後にも休まずに空を仰ぎ
手の平を強く開いて
幾すじもの爪を空を裂く切り絵のように深く浮かび上がらせる
それは滑るような瞳の艶やかさで風に揺れ、眩しく日を反射したりさえするのだ…
『生きる事をひがんじゃいけないよ…』
傷だらけの幹にそっと額を当ててみたくなった
風に立つ美しい人のようだから