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[62262] 鍾乳洞

詩人:遥 カズナ

真っ暗な

誰も知らない鍾乳洞では

幾つもの

水滴が弾ける度に

溜息の余韻が

百年も

千年も

しとしとと…折り重なり

白い

石灰質の寝床には

あまりに透明な

光りを知らない地下水が

ただ清らかに冷たく

湛えられていて

それは

青空の白い雲

夜空の碧い月

波打ち際で砕け散る泡に

何一つと言えど引けをとらず

美しく

切なさに

歯痒ささえ

残すのです

2006/01/10 (Tue)
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