真っ暗な誰も知らない鍾乳洞では幾つもの水滴が弾ける度に溜息の余韻が百年も千年もしとしとと…折り重なり白い石灰質の寝床にはあまりに透明な光りを知らない地下水がただ清らかに冷たく湛えられていてそれは青空の白い雲夜空の碧い月波打ち際で砕け散る泡に何一つと言えど引けをとらず美しく切なさに歯痒ささえ残すのです
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