詩人:遥 カズナ
綿津見の紺碧に潤んだ眼
その深淵より聞こえる口惜しき魂達の慟哭
最も巨大な海獣達の木管楽器の遠い音色
深海より豊潤な息吹のように沸き立ち 閃くプランクトン
轟き打ちあぐる波しぶき
目に沁る潮の霧 迎え煌めく小さな虹
回遊魚の鱗のあまねく過ぎ去る大海原
それを掠め 翼を潮風に洗いしだく海鳥達
流氷と氷山の うごめきひしめくオーロラの彼方から
碧い月の砂浜に残る海亀が辿った家路まで
太陽と月の旅立つ扉
その安らかな寝床
私を誘う綿津見の紺碧に潤んだ眼
嗚呼…海よ
2007/12/13 (Thu)