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フィリップの部屋  〜 投稿順表示 〜


[207] ストライプ
詩人:フィリップ [投票][編集]

爪先の肌寒さと
秋の匂いを感じながら
早朝に家を出た


もう何年も
着ることのなかったシャツを着た

ついでに
ブーツを初めて履いてみた


なぜだろう
ストライプの中に
愛の兆しと
君の首筋の匂いが
混ざっている



僕はふいに
ポケットに手を突っ込んでみた

2007/09/15 (Sat)

[208] 写メール
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生まれ落ちた途端
泣く事を覚えた

つまずいた世界の先で
たった今落としたものは何だったろうか


パシャリと撮った
写メールの中にさえ命が煌めいている

それが
世界の美しさということを
僕は今、知ったみたいだ

2007/09/15 (Sat)

[209] 旅人〜シーン別セリフ集〜
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シーン12
「湖畔の二人」より



旅人:悲しいかい?

リオ:悲しいって伝えたら、逆に伝わらなくなるわよ


旅人:それでも悲しいんじゃないか


リオ:うん…そっか、これは悲しみって言うんだ…

2007/09/16 (Sun)

[210] 旅人〜シーン別セリフ集〜
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シーン16
「空の約束」より



ゼノル:風化していくね、何もかも


旅人:でも君は残ってんじゃん


ゼノル:ホントだ
何でだろ?


旅人:知らない事が多い奴だなぁ

2007/09/16 (Sun)

[211] 旅人〜シーン別セリフ集〜
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シーン17
「ヤナザの死」より



リオ:死んじゃったね…ヤナザ


パルコ:これが悲しみかい?
そうなんだ


リオ:人間ってめんどくさいのね?旅人さん


旅人:そのめんどくささが、君たちが生きてる証拠じゃないか

2007/09/16 (Sun)

[213] 旅人〜シーン別セリフ集〜
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最終シーン


エル:これが僕の使命だとしたら、旅を続けた甲斐があるというもんだね


長老:人の世もこの世界も、悲しみや喜びの要素、区別が無くなる日が来るだろう


エル:記憶は、口元に残ればいいです


長老:行くが良い。帰るべき世界へ





(旅人〜エルとリオの心の扉〜)

2007/09/18 (Tue)

[227] ふれて、夕風
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呼応する風凪が
君の髪に孕まれた

改札機をくぐると
知らない景色が広がっているように
世界もまた
何度かの脱皮を経て生まれ変わる


温もりの中で生まれ続ける僕の声を
遠く、君の街へ届けてみよう

ふれて、夕風


さっき買った缶コーヒーの温度が
いつかの君の手のひらと同じだ

2007/09/28 (Fri)

[228] FRY
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うすくれないの空を
渡り鳥が滑ってく

見慣れた筈の
朱いシルエットが
僕の感覚を
その何十倍にも
研ぎ澄ましてくれる

チェリオグレープ
チャーリー・ブラウン
オンシジウム

光の速さで上昇する虚心の中に
僕はピーナッツを投げ入れる


「I Can fry」って
こないだ姪っ子が
叫んでいた

2007/09/29 (Sat)

[229] 律(しらべ)
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夢の中で
猛烈に君に逢いたくて
目が覚めたら
猛烈に君に逢いたかった

コクコクと
何でもない筈の時計の秒針が
音を立てて
世界を右から左へ
ずらせていく
一定の速度でもって


無気力な想いを
からっぽのビンに詰めて
僕は駅に向かった

口癖すら
思い出せないけど
何でもない君の存在に
生かされているのだ
僕は
僕らは



音無きメロディ
声無き叫び
君無き、律

歌詞の無い歌を
この声に乗せて
月の向こうまで
飛ばせたなら
僕らは明日を過ぎても
繋がってゆける

2007/10/06 (Sat)

[230] 睫毛の風
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駅前のカフェで待ち合わせていた君は
シナモロールを持て余しながら
睫毛を弄っていた

風の吹く
空のまにまに
飛ばされていくように
珈琲をすする


風花ちらり
鳶がクルリ

吹き抜ける風が
窓の向こうから
君の睫毛を揺らす

るりら
るるりら




ふれた珈琲の温度で
上口部を火傷した

2007/09/30 (Sun)
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