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遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[13] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ゆっくりと…

視力が取り戻されて行くように…

静寂な東の夜空の帳は

ぼんやりと開き始める。

やがて冷たい大地と空と海を暖めながら…

ゆらり、ゆらりと…

日は世界を巡り来る。

闇を西の空へと追いやりながら

永遠に

朝は世界を

進んで行くのだ。

2005/07/30 (Sat)

[14] 遊ぶ
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水浴びをしようとして

浴室で整然と並ぶタイルを眺めていたら…

ここはまるで太古の墓の王の間のようじゃないか?

遊びたくなって

明かりを消して

横になると

冷たい背中に身を清められるようで

いよいよ面白いではないか

三千年のファラオの夢に興じてみた…

だけど

君に同じ事を奨めたりはしないよ

こんなに面白くて

面白くて、面白くても

決して奨めはしないよ

君が僕に

他に面白いオモチャや遊びを教える事が出来るなら

その資格があるかも知れないけれど

だから

決して奨めたりはしないよ



2007/10/28 (Sun)

[15] 小鳥
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小さなカゴの鳥


小さな鳥


カゴの中。


美しく鳴こうとします


美しく鳴こうとしています。

2005/08/01 (Mon)

[16] 貝殻
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浜辺で拾った

貝のカケラ





「あの砂浜で生まれたの」




粘液と共に吹き出され

清らかな肉を包み

命が当たり前みたいに側にあった…




月が照らしていたのを覚えています


潮が引いていったのを覚えています


蟹達の噴く泡の弾ける音を覚えています


轟く波を覚えています…





朽ち果てた今





幾億の仲間達と

この砂浜の

この星で

無限の宇宙へ

溶けゆく事を知らない…。

2006/02/18 (Sat)

[17] 
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男は鷲の眼

褐色の断崖の頬

研ぎ澄まされたナイフの唇

暗黒の荒野にあって

迷信を恐れず

嵐の海にあって

星を読む

家族を愛し

不屈の信念を杖とする

正確な論理と洞察力を忠実な犬のように従え

閉ざされた未知の喉笛を迷う事無くかっさばく

目も眩む真実に

身じろぐ事も無く

偽りを踏みしだきながら

新たな未知へと旅立つ…。

2005/08/02 (Tue)

[18] 扇子
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タンスの奥に仕舞われた扇子は

パタパタと開くと

こぼれるように

女の人の

良い香がして




子供だった僕には

目を凝らしてもぼやけて見えない花を見るような…

そんな歯痒く切ない思いをしたものだった…。

2006/02/23 (Thu)

[19] 小便
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どんなに深く泣いても

怒ってみても…

小便をしたくなり

用をたしていると…




小便の方が大事な自分に

慰められる。

2006/02/23 (Thu)

[22] 
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愛か欠落した人程

『愛だ! 愛だ!』

と語るものだ…

私もそうだ。

2005/08/07 (Sun)

[24] 雨の夜
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雨の夜は

遠くの街へ

来たかのよう

彼も彼女も

遠くに居るよう

全てが

過去の事のよう




雨の夜は

船の旅をするかのよう

暗い海のただ中には

船の明かりの他に

なにも

なにも

見えません…




静かに

じっとしていなさい…




豊かな

寂しさと言うものも

あるのです…。

2006/02/21 (Tue)

[25] ウィンド・サーフ
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ソーダ色の空
溢れる泡の雲
さよなら太陽
閃く波しぶき
オレンジに闇と光りがざわめく境界線に
つんざき吹きすさぶ




もうただ…ただ行く…




風の音が五感を一つに溶かし
羽ばたきもせず
グライダーよりも
純粋な風そのものになる



陸が閉ざされた二次元の紙切へと どんどんとなって行く…




沖は人魚の姿

メデューサの呪いが

波間に見え隠れしている

このままグラン・ブルーのイルカと帰れなくなるまで…
世界の果てへ落ちてゆきたい

2008/07/24 (Thu)
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