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獏の部屋  〜 投稿順表示 〜


[12] 空間
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君が作ったアタシの居場所は
最初はちょっと窮屈だった
身動き出来ないけど
すっぽり身体が入るくらい
それでもあったかくて
居心地良かったから
狭くっても良かった
 
ある日君と喧嘩した
アタシの場所は何処までも
広くなった けど
探しても 探しても
君が見つからなかった
初めは自由になった手足を
バタバタ動かして
広さを確かめるのに夢中だったけど
やがて何処にも行き着かない
広すぎる空間で自分すら見失って・・・

君を捜した
君を捜したよ
やっと見つけた君は
小さく丸まって泣いてたよ
 
ここにいるよ
アタシずっとここにいるよ
傍にいるよって
何度も何度も話しかけて
やっと届いたあたしの声
 
それから君がアタシを
ずっと捕まえているけど
もう窮屈じゃないの
あったかいのに手足が伸びて
丁度いい大きさ
柔らかな空気
もう出て行かないからね
アタシずっと君の傍がイイ

2004/11/05 (Fri)

[13] ・・女って奴は・・
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女って奴は
真実だか嘘だか
良く分からん涙流しやがる
あわてて慰めると
ころっと笑って「本当?」
涙でぐしょぐしょな顔で笑うんだぜ
全く理解不能だよ
さっきまでキーキー言って怒ってたくせにさぁ・・・
もう二度とその手にのるもんか
って涙でぐしょぐしょになった笑顔見るたびに思うのさ
こちとらそんなに現金に喜べないってーの
プライド捨てて機嫌取った
俺はどうすりゃいいってんだ?
もうどうにでもなれ
結局オマエには負けるんだ
降参だよ
だから早く涙拭けよ

2004/11/10 (Wed)

[14] 生きているから
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喧騒を抜け
肩越しに聞こえる声に耳を塞ぎ
差し出される手を振り切り
何処へ行くの
何処へ行くのさ
一人もたまにゃいい
所詮一人じゃ生きていけない
弱いモンだよ人なんて
一つ一つの存在なんて
本当の孤独は
何もない
生きてる感覚さえ奪う
意味を成さない
泣いても笑っても
伝える先が無いんだから
森の中
行き先も分からなくても
抜け出せる
明るい方に進のさ
向かっていくんだ
避けないで
耳につく
雑音にも
聞こえないふりしないで
聞こうよ
見よう
生きているから

2004/11/13 (Sat)

[15] 死神
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水先案内人が ようこそ と
金色の瞳で挨拶をした
どちらに致しますか
右手をさして
こちらは懺悔の道
貴方の所行の一つ一つが
全て懺悔出来ます
左手をさして
こちらは忘却の道
親しい人も憎い人も
良い事も辛い事も
一歩進むたびに一つずつ忘れます
皆さん忘却の道を選ばれますが
懺悔の道は魂の浄化が出来ます
懺悔の道を選ばれますと
たどり着くのは花園です
忘却の道を選ばれますと
また俗世へ着きます
 
そこでややしばらく
考えた
どっちも似たような一本道
これは見せかけかもしれない
内容は全く逆だ
 
いつの間にか
水先案内人の姿は消えて
三叉路に佇む俺
結局もと来た道を
戻る事にした

2004/11/15 (Mon)

[16] 瞳とそれに変わる物
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壊れたのか
アンテナも受信機も
ブラウン管よろしく
虹色に畳まれ
目に映る物
瞬時に消える
使い物にならなくなった
眼球のかわりに
水晶を
その義眼に映るのは
未来か過去か
ダイヤモンドなら
差詰め金塊や宝石
ガラス玉なら
丸く逆さまに
君が映る
逆さまの姿で
取り繕った表の顔の裏にある
毒づいて歪んだ君の顔
壊れたのはアンテナか
それなら替わりに
アクリル定規
届く電波は
上滑りする
挨拶と
知らない誰かの
歪曲したうわさ話
それとも受信機
替わりに螺旋
幾重にも巻かれ
百万個の導線で繋ぐ
届くのは
むやみに死にたがる
誰かの恨み言
錯覚を愛と呼ぶ
浮かれた裸体
生まれついた時から
こんな義眼を
瞼の下に仕込んであった

2004/11/23 (Tue)

[17] 
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涙は
悲しみも流してくれる
泣いていいよ
いっぱい泣いていいよ
見返りなんか
求めてなかった
でも
彼の事を思って過ごした
報われなかった日々と
行き場のない
愛しさや優しさを
涙で
洗い流して
涙に
悲しみを詰めて
季節の変わり目の
せっかちな風に
流してしまってよ

2004/11/30 (Tue)

[18] 草冠
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夢から
覚めない
眠り姫
緑の衣
泉の飾り
苔の布団で
夢を見る
明日は来ない
永遠に
この地が枯れて
朽ち果てる
星の終わりの
その時まで
永い永い眠りに就いて
妖精達の夢を見る
明日は来ない
夢の中

2004/12/06 (Mon)

[19] 痛覚
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痛いと言っても
解って貰えなかったので
痛いという感覚を
ぶった切って
痛覚を麻痺させてしまった
 
苦しいと言っても
そんな事ぐらいで
とあしらわれてしまうので
苦しい時は
息を止める事にした
 
死にたいというと
誰にも迷惑をかけないように死ね
と言うので
考えても考えても
そんな方法は思いつかず
呆けて暮らす事にした
 
そんなこんなで
今の僕の日常は
ぼやけた絵の具のように
境界線がないのです

2004/12/08 (Wed)

[20] オワリ ノ ウタ
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都市に架かる
碧黒い雲
隙間を埋める
高層の灰色の雲
子供達は
悲しみに満ちた
物語に没頭し
早熟な悲観を
育てていく
大人達は
斜眼と諦めに
打ちのめされ
まだ続く
時を堰止め
砂山が崩れる
公園の縁石に蹲る
希望を歌う謡は
化石にしみ込み
掘り出されない
悲観した達観を
物語に潜ませ
幼子に子守歌として
繰り返しあやしている
毒を含んだ
街路樹の吐く息に
麻痺と無関心で
武装する
出所の知れぬ
汚れた霧
途切れる事のない
世界の終わりを
預言者達は
挙って路地裏に集い
我先に嘘の涙で
各々信じている

2004/12/08 (Wed)

[21] 風の音
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僕はここにいるから僕 
なのかな 
違うよ
ふらりと行きたい所に行くのも僕
君の部屋に
ふらりと立ち寄って
君の膝枕で眠るのも僕
人気のない丘の上の
広葉樹の根本で
くつろぐのも
海原に浮かぶ
主の居ない漂流船に
釣り糸を垂らすのも
ビル街の屋上で
排気ガスにむせながら
口笛を吹くのも
人混みに紛れて
何食わぬ顔で
群れの中歩き回るのも
 
楽しいさ
すり抜けていく
しっぽを捕まえられる事なんか無い
細くなり長くなり
自在に吹き荒れながら
今日は君の膝に帰ろう

2004/12/17 (Fri)
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