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秋庭 朔の部屋  〜 新着順表示 〜


[107] リバラバ
詩人:秋庭 朔 [投票][編集]


温暖化が
進むにつれ
冷え症が求めた
温もりは
氷河期を懐かしむ

凍えた手で
雪を揉み解すと
指先にじんわり
生気が蘇える気がした

厳冬期に
固く締ったように見えた
結び目は
強く絡まった分だけ
容易に解けない代わりに
身動き出来ないくらい
ふたりを窮屈に縛った

雨期に入っても
からりと乾く大地に
亀裂が走る
たとえ降っても
涙腺はもう潤わない
移り変わる季節の中
記憶という船が遡る
水の無い川
いずれ忘却が
痕跡さえ蔽い隠して
最初から
無かったかのように
時は無情に流れ始める

瘡蓋が乾かぬうちに
繰り返しめくる
血が滲んで痛んでも
忘れたりしないように















2008/07/03 (Thu)

[106] カタカナ読めない
詩人:秋庭 朔 [投票][編集]


営業車のドアに
「ダスキン」て
書いてあるのを
ダイスキと
読み間違えたぼくは
決して
恋する乙女ではない

対向車のドアに
「マルヒデ」と
書いてあるのが
デビルマンに
一瞬見えたぼくは
断じて
コーモリ男ではない

カタカナ
苦手だよね?

いや、んなことナイ

嘘っ

ウソ
カタカナに弱いな
確かにオレ

KYだね

...

2008/06/16 (Mon)

[105] チープ・プライド
詩人:秋庭 朔 [投票][編集]


ゴマ粒みたいな
黒点がふたつ
よく見れば
ありんこ2匹
ごっつんこ

ミクロな心音響かせて
仲間たちが忙しなく
働きまわる中を
睨み合って
どちらも道を譲れない

正当防衛が
通用しない世界なら
緊急避難で
三十六計逃げるが勝ち
グローブはめて
殴り合う
ルール化された
喧嘩でさえ
今は野蛮に見える

ごめんなすって

後ろから次々と
先を急ぐ仲間たちが
2匹を追い越していった




2008/06/08 (Sun)

[103] 名前のない子
詩人:秋庭 朔 [投票][編集]


弾みで出来ても
苦悩の果てに
捻り出したとしても
紛れもなくぼくの分身。

だから、
もう二度と
消したりはしない。
誰にも
顧みられないとしても
ぼくが愛する、
未熟な言葉たち。

せめて
名前くらい
つけてあげて
ください。
無題だなんて
可哀想すぎる。


2008/06/02 (Mon)

[102] 未知な道順
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…そこまで
車で2時間くらいか?

だね
地図書こうか?

頼む

ここが銀河系
これが地球な?
日本はこのへん…

オイッ!

あ、ごめんごめん
天文学苦手だったな

そういう問題か
もっと近いトコから
始めてくれる?

わーった
ここが今
オレたちのいる部屋、
真っ直ぐ行くとキッチン
で、右側がトイレに
なっております…

オマエは不動産屋かっ!


いえ、機器メーカーの
社員です。

あのね
きみの職業聞いてる
場合じゃないから
もういい
カーナビ使うから

友だちのオレより
機械を信じるのか

オマエより
キカイの方が
まだマシーン

……。

2008/05/27 (Tue)

[101] スズキング
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なぁ、スズキング…

ソレやめてくれや
オレは王様やない

あら?
きみ、前は
鈴木だったよな

今も鈴木や
なんや前は、って

ホラ、現在進行形だろ?
だからスズキングで
いいじゃん

あ、そういう意味やったんや

なぁ、スズキング

なんやタマキン

玉木だ
人の名前で遊ぶなよ?

オマエモナー
で?
何の用や?

別に…

なんじゃソレ
オマエつかれるわ

なんに?
悪魔にか?
どこ突かれるの?
脇腹か?
ここか?ここか?

触んなや!
一回でいいから
死んでくれ

人間一回しか
死ねないから

何回でも死ね
オレが許す

鈴木、
許すってきみは何様?

王様や

やっぱスズキングで
いいじゃん

もういいわ




…でね、鈴木…

いや、そやから
漫才ならそこで
終わっとるやろが

別にぼく漫才してる
わけじゃないから

オマエ
シツコイんや

なに、彼女にフラれたの?

それはシツコイちゃう
シツレンて読むんや
アホかっ
もういいわ

…でね、鈴木…

もうホンマ勘弁して
終われへんから

2008/05/25 (Sun)

[100] トイレの花
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いつも
首をくの字に曲げて
俯いたまま
視線を合わせてくれない

おはようございます
と声をかけると
ちゃんと
挨拶が返ってくる
けど、こっちを見ない

ごめんなさいと
謝りたくなる
年はとっても女だもの
でも、毎日トイレ
キレイにしてくれて
ありがとう
それから
牛乳ビンに活けた花も
然り気なくて
心和みます


掃除中に
お邪魔しました

いえいえ
こちらこそ

背中で聞いた声は
柔らかかった



2008/05/21 (Wed)

[99] さみだれしとしと泣きませう
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何も無いトコへ
トコトコ
命を運んで
歩いテクテク

心を刺すハリが
チクチク
想い出刻んで
時はチクタク

曇った空カラ
シトシト
頬を伝って
涙がポロポロ


液晶の向こう
黒眼がちに
微笑んだまま

何も無いトコへ
トコトコ
抜け殻だけ残して
永く遠く果てし泣く




2008/05/20 (Tue)

[98] Endless walk...
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男は現実に喘ぐ
ロマンティスト

女は夢に憧れる
リアリスト

方向を間違えないように
遠くを眺めるぼくの傍で
転んでしまわないように
きみが足元を見つめてる

きっとふたりは
違い過ぎるから
手と手を繋いで
歩いて来たんだ
おんなじ歩幅で

2008/05/19 (Mon)

[97] たりないコトバ
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ごめん
てったら
たぶん
え、なんで?
ってきみは応える

なぁーんだ
気にしてなかったんだ
さっきまでしてた
心配と反省ぼくに返せ

軽くなって
浮きたった
ぼくの気持ちは
ほんとは
重くなって
沈んだきみの
思いやりのおかげ

ごめんね
一言多いくせに
いつも一言足りない

2008/05/12 (Mon)
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