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そほとの部屋  〜 新着順表示 〜


[137] 蛍やい
詩人:そほと [投票][編集]

蛍やい
蛍やい
去年の蛍やい
来年の蛍やい
ちょいと教えてくれないか
あの世のかあさんは元気かえ
雪が積もったのだよ
あの日の雪うさぎが
まだ解けていないのだよ
あの赤い目が
あのひびの入った優しい手が



2009/02/01 (Sun)

[136] 8月深夜
詩人:そほと [投票][編集]

今宵の月は強い白
空気が波になってそよいで行く
カエルの声が耳に入らない
噴出す汗すらどうでもいい
風呂上りシラフで歩いてみれば
コンクリの道でさえ
やさしいかもしれない
夏バテを言い訳にするのは
間違っていた



2009/02/01 (Sun)

[135] ひまわり
詩人:そほと [投票][編集]

おもいっきりの笑顔
てのひらに書いて
背のびをしたら ひまわり
太陽に勝てるか



2009/02/01 (Sun)

[134] ひとりごと
詩人:そほと [投票][編集]

ねえ あなた
私のなみだは
根雪に なったわ



2009/02/01 (Sun)

[133] 宣言します
詩人:そほと [投票][編集]

今朝
ステキな笑顔に出会いました
そうだ
笑顔コレクターになります
只今より 私



2009/02/01 (Sun)

[132] 別れ
詩人:そほと [投票][編集]

布団で横たわるあなたも
棺の中で正装したあなたも
はや遠い人
これが川なら海にて逢える
これが川なら海にて逢える
されど海では広すぎて
私の涙は塩辛い



2009/02/01 (Sun)

[131] 色メガネ
詩人:そほと [投票][編集]

夜空の星はなぜに輝く
真昼の太陽
お前のそのエネルギーは
喜びか
怒りか
花は
咲くことで報われるか
種を飛ばすことで
報われるか
開かぬ蕾に水を送り続ける根は
茎は
葉は
私は今
色メガネを掛けて
外を見ている



2009/02/01 (Sun)

[130] むらさきつめくさ
詩人:そほと [投票][編集]

むらさきつめくさ一本摘んで
食べるんでもなく
しゃぶるんでもなく
その あわあわとしたボンボンを
パクッ
むらさきつめくさの花びら
しみじみと眺め
パクッ
を しないのは流石に大人
論理的にこの衝動を
分析しようとしている私
所詮は子供



2009/02/01 (Sun)

[129] なだらかな坂
詩人:そほと [投票][編集]

朝もやにまぎれて
お家の前までやってきました

あなたの寝息が聞こえたような

さあ
この
なだらかな坂を
スキップで
帰りましょ



2009/02/01 (Sun)

[128] 米粒
詩人:そほと [投票][編集]

昔々ある所に一人の私が居りましたとさ

今は昔 
いつまでたっても一向に成長する気配のない私には
尊敬しているけど苦手
好きなのになぜか腹が立つ
そんなお方が一人居りました

ある日 おもてなし上手なそのお方が黒いお盆の上で
一粒一粒お米を選っておりましたので聞いてみました

「何をしているのですか?」

するとそのお方はこう言いました

「こうやって形の良いお米だけを集めて御飯を炊くと
おいしいのですよ
残ったお米は小鳥さんたちにあげると喜んで歌を歌ってくれます
でも お百姓さんに対しては言い訳ですね」

柔らかな春の日差しに包まれたたんぽぽの
わたぼうしのような笑顔をちらりと見せて
作業を続けられました

今は昔 
いつまでたっても一向に成長する気配のない私は
柔らかな日差しに包まれて その一遍の詩を
痛いほど観賞しておりましたとさ

終わり



2009/02/01 (Sun)
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