ホーム > 詩人の部屋 > トケルネコの部屋 > 新着順表示

トケルネコの部屋  〜 新着順表示 〜


[101] Mrs.MinusDriver
詩人:トケルネコ [投票][編集]

愛の証明なんて無理さ

君はホラ吹きなんだ もしくは空回りいじけたDRIVER

ほら、ドアは続いてゆくよ 明日の壁紙まで暴かれたくはないさ、誰も

君は不幸なんだから 読む必要がある昨日の新聞

君は弱虫なんだから 捨てる必要がある希望の割引券

ずっと独りでいたからって 自分の声は忘れられるもんじゃない


愛なんて推敲する必要はないのさ

子供だってブンガクの絡繰りに溺れるのに

誓いの言葉はほどけるために着飾ったリボン

もう許すためのキス それだけを結ぼう

愛なんて別腹に収まるケーキじゃないのに

その奥歯を折ったのは 何者でもない自分のコトバ

君は幸せになりたいと 眺めるばかりの真面目なコラム

ずっと二人だったのなら

きっとその見出しのウソにも気付けなかったのだから


愛なんて風呂上がりの鏡に写してはにかむくらいがちょうどいいのさ



2010/01/04 (Mon)

[100] Anthology
詩人:トケルネコ [投票][編集]



僕らは胸に砕けた花瓶を抱いて
性懲りもなく日々を枯らしてく

水をあげることもなく 立派な花を望み
添い寝する相手もなく 自分だけ抱き締めて

そして 曇ったカーテンを透かして見る
終わりゆく一日を 流れ去るままに
輝く星を追うのも無駄と 瞼を閉じて


さながらそれは時の結晶のよう
静かに風景を凍らせる 冷たい海の底のプランクトン

切ない記憶にナイフ 伝う壁の溝 
零れる希望と蓋 歌う暁の枕

だけど最後は諦めの声しか呼べない
終わらない月日を 限りある命を
咲かす術も知らず 手の平を閉ざし


望んだ景色も 描きたかった憧憬も取り零し
枯れてゆく… 温めていたストーリーも引き摺った足跡も
全て消してしまうの? 届かないと 光を閉ざして

ホントの雨の下を歩むこともなく 華やかな虹を望み
誰かのために嘆くこともなく 誰かが振り向いてくれると信じて……


僕らは願いの傍に朽ちた花束を添えてしまう
すべてが壊れてしまうなら 何もいらないかのように



2010/02/10 (Wed)

[99] 突然ですが、
詩人:トケルネコ [投票][編集]

突然ですが 夏


といえば  蝉


つくつくぼーし
つくつくぼーし
つくつくぼうし
つくづくぼうし


「つくづく帽子」


暑いのいやねん
なっちゃいないよ神サマ

あんた頭隠して尻焼かれて
熟れすぎた桃みたいに真っ赤に腐ってる

なっちゃいないよ神サマ
祈るふりして手垢こすってたからって
なんでまた拗ねちゃうのアホンダラ

やろうとおもえばやれるけど、やっぱやるきはでませんと
匙を投げたら犬に当たってアラ不思議 新たな諺になりました


つくづく運が悪いとお嘆きの貴方


この壺、買ってみませんか?


神のご加護がありますよ



つくづく帽子が似合わない顔デカな貴方


この壺、被ってみませんか?


顔が小顔に見えますよ



つくつくぼーし♪



2010/02/07 (Sun)

[98] ソルトソング
詩人:トケルネコ [投票][編集]


記憶にレイプされ産まれるのが双子なら
今日その舌のピアスが喉仏を撫でた

無事クスリと煮詰まって薔薇の葉につく乳液
塵は塵に星の隙間に詰め込んで、灰は月と割ってみよう

その唐辛子のようなキス
アタマすり減ったイモムシを悦ばせる
背をむけ叫ぶ
幹から吸い出すジェル
スカンジナビアから夜は産まれた

傷ついたようなキス
カラダ身悶えして求める羽
俺は俺に灰を詰め込んで、君は日々に何を詰め込んで……
そしてクスリと笑うことすら死を招く

欲張らない奴らの孤独
欲張らない言葉の空虚

空は水面にただ零れ弁明するだけなら
文字通り土に還る虫ケラ
羽はもがれ、盾は砕かれ、栄光の剣もなく、なにもかも
ただ剥がれ証明されるだけの命


心地よい転落



2009/12/11 (Fri)

[97] 虹色
詩人:トケルネコ [投票][編集]


頭振り絞って(真心)って書いてみた
蟻がいっぱいついてきた

レトロな鐘が裏辻に響いて
ミズスマシが渡ってゆく夕焼け空
アコギな私は自転車駆って

虹色シャボン玉


髪振り乱して[真面目]を背負い投げた
キンピラゴボウの匂いがした

ミシンの音がする宵の坂
エンコウ少女は夜に翔ばされ
ムシロの乞食は涙を浮かべて

虹色シャボン玉


頭可笑しいピエロの鼻付けワッハッハ
トナカイ連れてエントツ潜ってウッフッフ
あたしはあたしにプレゼント
大事な大事なあたしの靴下あげませぅ


胸膨らませて{汁だく}って叫んでみた
お肉がカケラも入ってなかった

パンツにレェスを縫い飾り
黒電話ジリジリ陽に焼いて
子猫と屋根から飛び降りたら

神さま吃驚りクシャミして


ほら、



虹色シャボン玉

2010/05/13 (Thu)

[96] Screamer
詩人:トケルネコ [投票][編集]

泣かないでほしい
空が暮れるままに
月をあつらえないでほしい
森の奥で燻ったままの
灰を探してほしい


砂が時を流すのか
時間が石すら溶かすのか
引っ繰り返ったまま
君は瞳に何を映すのか


砂時計はザラとも軋まず
深夜の腹時計だけは吠え止まない



冬の空にへばりつき

母は昔から

赤いトナカイを撃つ

子供達はいつからか

雪を食べる

凍みないようにゆっくりと

ゆっくりと穴を掘るように


さぁ、もう少しで詞が書ける
さぁ、あと一歩で歌になる
紅白に塗り潰す準備はできたかい?

救いようもないリリックに溺れよう
助けにきた腕を引きずり込もう
俺たちは水中のコウモリ
誰にだってなれるもんじゃない
誰もなりたがらない 闇夜の鎚音


引っ繰り返ったまま
ぶら下がり何を歌えるのか?

泣かなくていい
日が暮れたまま
朝をもう、謳わなくていい

2009/12/15 (Tue)

[95] 死の63
詩人:トケルネコ [投票][編集]

プチプチと噛みちぎる果実の首
タイツをはいた清掃員がケツを揺らす

マモル 痛いのか? ゲタ箱と蠍 校舎の奥の十字路

マダラ 沈むのか 絶滅器具種 電気椅子の虎

飛んだつもりで目を裏返せ 暗幕の牙
ガリガリと噛み砕く青酸カリの歌
トンガリ鼻の嘘つきが奴らの正体

彼はキズを抱え

彼は記憶を失う

彼は昏倒する姿


11番目の秘密の扉を蹴破れ!!
死んだつもりで目を裏返す 暗幕の涙
誰もがトンガリ鼻のピノキオなら

マモル 痛むはず 刺し殺す 頭の無数の蛇

マダラ 背中の痣 サイイン剤 耳から飲み込む

14番目の窓から飛び降りろ!! 
ガタガタ震えるままに清算する鋼と血
識ったつもりの黒板に花を描く 暗幕の薔薇


オマエはキズを抱え

オマエは記憶を救う

オマエはもう焼かれることもない

マモル 校庭の十字架



2010/02/07 (Sun)

[94] ムーンダスト
詩人:トケルネコ [投票][編集]


夜は翼のないカラス
微塵もない記憶の点字
裸足で踏む画鋲すらいたずらに沈む

紅いボウフラを見守るのに ガラスのスコープを覗いては
深海の青い花束を探す
その息を切らして倒れ その息を凝らして眠り
預かった鍵束の意味


月を挟む黒いクチバシ
関係を途切らせた嘘と本音
関心のスロープに零れゆくネジ

僕ら結晶のカーネーション 新しい夜明けにただ散らすだけ
その息を殺して悶え その息を飲み込む度


死んでゆく

あの空も

枯れてゆく

あの手紙も

遠くなってゆく

母の手も

父の背も

絆の温もりも

ひそやかに

消えてゆく

なにもかも

なにもかも

なにもかも



2010/04/27 (Tue)

[93] 追憶
詩人:トケルネコ [投票][編集]

小雨に暮れて 彼女は泣いた
歌うことしか知らない鴉たち
ハカナイなんて鏡越しのメッセージ
満たされない花瓶を映さないで
朝靄をついばむ濡れた眼差し

どこか誰かに似てるけど
その横顔を眺めてるだけ

誰かどこかへ連れていってと
ただ横顔を飾ってるだけ


もうムナシイなんてメッセージ
壊れた鏡を踏むことで伝えないで
歌を燃やすことでしか白くなれない鴉

束の間の解放 昼と夜の回転ドア
どこへ座ろう 廃屋の映画館
青い目を光らせて鴉たちが視つめるスクリーン
かすれた字幕だけが何かを伝えて・・・



その横顔は言葉を追う


その横顔は言葉を見上げる


その横顔は誰よりも美しい


その横顔は何よりも空白


その横顔はボク


その横顔はアナタ


その横顔は歌そのもの


その横顔は世界の片隅にあり


その横顔は世界の肖像画



砂と海の額縁


2010/01/15 (Fri)

[92] 掠れた文字
詩人:トケルネコ [投票][編集]




確かにその剥製は泣いていました


身動きもとれず
魂は枯れ
ただ一点を見つめることしか出来ず
それでもなお、泣いていました
声も出せずに


時間の空白の中で
虚ろな瞳の奥で
固まった翼を抱いて
夜の隅で


『届かないものばかりだ』


彼に言葉を与えたら、きっとこう云うのでしょう


『くだらない幻想さ』


彼に希望を与えても、きっとすぐに捨ててしまうから・・・


砂の上の
コンクリートの中の
汚れた布に包まり
彼は見てる


蒼い空を
飛べるはずだった
飛び立つはずだった
雲の彼方を


『失意』

その剥製のプレートにはかすれた文字でそう書かれていました

どこまでも表情のない視線の先には真っ青な壁だけがありました

乾いた瞳は何も捉えず、ただジっと薄笑いのまま・・・


けれど確かにその剥製は泣いていました



2009/12/06 (Sun)
219件中 (121-130) [ << 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 >> ... 22
- 詩人の部屋 -