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浜崎 智幸の部屋  〜 投稿順表示 〜


[23] ──小さな旋律──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


いつもとよく似た 朝がまた来たね

今は会えない人に 歌うつもりでいた

小さな音符が てのひらに残る


みどりの表紙の 読まずにいる本(詩集)

今は言えない人に 歌うつもりでいた

小さな休符が ゆびさきに残る


調律してない がっこう(小学校)のピアノ

今も消えない心 歌うつもりでいた

小さな旋律 くちびるに残る
──────────────

2018/03/13 (Tue)

[24] リーセル
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


風の通る道を一人見てた
幸ある人たちのギターを聞いた

すべて光に似た価値あるもの
過ちさえ消えた世界のもの

響きあう心で いつまでも愛そう
たったいちど たったひとり
僕のリーセル


風の強い朝はどこに行こう
霜のついた窓に何を見よう

感じたまま遊ぶ子どものような
素直な心なら届くだろうか

嘘のない態度で いつまでも愛そう
たったいちど たったひとり
僕のリーセル

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リーセル……高校時代の先輩につけた愛称。今となっては語源は不明だが、luce(光)と関連があると思われる。

2018/04/21 (Sat)

[25] ──ありふれた優しい笑顔──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


懐かしい歌を歌ってくれなくていい

ありふれた優しい笑顔で応えてほしい

僕はまだ弱いよ。

滑(すべ)らかにはなれないで

乾かない涙を日だまりのなか
わざと落とした。

ありがとう──

あなたの瑠璃光に
僕は包まれているよ

ありがとう──

慈悲とその功徳が
この世界に溢れ出す


清潔な願い 見返りを求めぬ愛

忘れないうちに書きとめられた出来事

歌はまだ続くよ。

飽きることのないように

痛みから生まれた心はそっと
奇蹟を起こす。

ありがとう──

あなたの寂光(じゃっこう)に
僕は包まれているよ

ありがとう──

知恵とその散華(さんげ)が
この世界に溢れ出す

道はまだ続くよ。

すべての国を通るよ

許しあい 励まし
ひとつになれる
教えを運ぶ。

ありがとう──

あなたの瑞光を
誰もが見上げているよ

ありがとう──

歌頌(かじゅ)とその伎楽(ぎがく)が
この世界に溢れ出す

───────────
───────────
瑠璃光……薬師如来の別名だが、ここでは安らぎの光といったところ。

寂光………極楽を常寂光土ともいうが、ここでは希望の光といったところ。

瑞光………仏の出世(現世への来臨)を告げる光。

歌頌………カンタータ。
伎楽………オラトリオ。

2018/04/26 (Thu)

[26] 歌詞「文学少女の肖像」
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


君の白いブラウスが寒そう 夏の日の図書館
小説の本棚の前から ずっと動かないね

──何を探してるの?
──恋愛のカタログ?

見つかるよ 君なら
純粋だけど弱くない

君の意志の瞳の正しさを 僕も真似てみよう


少しきつくウェストを絞った 紺のスカートから
貸出しのカードを取り出して カウンターに置いた

──二週間有効の
──恋愛のテキスト

小さめの活字の
ちからを君は確かめる

君が読んだ世界のひろがりを 愛が満たすだろう


──────────
この曲の失敗……タイトルが早口言葉になってしまったこと。

2018/05/21 (Mon)

[31] 歌詞── Passanger ──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


土砂降りのなかへ
吸い込まれていくことで
すべての悲しみ
捨て去る人だった

幸せなど見せかけだと
私の肌触れもしなかった

Passanger in the midnight
卑怯な微笑みも

Passanger in the midnight
優しい裏切りも

すべて抱きとめるから
Passanger


やりたいことだけ
できるならばいいのにねと
私の言葉に
くもった瞳伏せた

幸せなら君がそうだと
舌足らずに言葉濁してた

Passanger in the midnight
未熟な欲望も

Passanger in the midnight
不当な抑圧も

すべて許せるならば
Passanger

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2018/08/29 (Wed)

[32] 伝書鳩
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


白い鳩が 闇を裂いて
眠り深い街をよぎる

黙ってられるほど
私は強くない

手紙の重さは
私も知っている


誰も手紙 脚に巻いた
影をもって生まれ 滅ぶ

言葉にできるなら
あなたもわかるのに

風吹け 風鳴れ
私の味方なら



(鳥は闇の中で目か利くのか……細かいことは考えないでください)

2019/01/30 (Wed)

[33] 歌詞──本河内ワルツ──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


出来屋敷公園へ続く坂道を行けば

どんな悲しみだって心をすり抜けていく

水源地のあたりは蛍が橋を渡る

時計も遅くまわる

生まれてきてよかったよ

あなたに会えたときの喜び繰り返すために

歌を歌う

光があふれ世界の形見えなくしても

歌声は続くよ
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※「ほんごうちワルツ」と読む。
※水源池ではない。水源地で正しい。

2019/04/18 (Thu)

[35] ──いま古里では──
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



いま古里では 夏の光あびて
人々が歩き 挨拶を交わしてる

昔の仲間たちはそれぞれの町に帰り
懐かしい歌とざわめきを愛してる

晴れた午後には退屈なほうがいい
窓を開けた部屋でごろりと横になる

猫が遊ぶ空き地 コトリと届く葉書
女子大の寮は布団を叩いてる
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2019/11/11 (Mon)

[36] 讃歌
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


あらかぶは釣れますか

この海は豊かですか

この海がいつまでもまほらなように

祈ります

舟霊はおりますか

この海は平らですか

この海がいつまでもやすらなように

祈ります
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●あらかぶ……カサゴという魚の方言名
●まほら……真秀と書く。
●やすら……憩らと書く(造語)

2019/12/07 (Sat)

[37] 照葉樹の森I'm in the forest
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


生まれ変わるというのは こんな気持ちなんだろう

目を閉じたら 邪魔なものが飛び去っていくようだ

風そよぐ照葉樹の森へ昼寝をしにおいで

小さな草 優しい鳥 日射しも君を待つ

明るい昼間は 雲母(きらら)が降る森にいます
ここで待っています



心だけで届くから 何の心配もいらない

森へおいで 森へおいで 眠たくなる森へ

心より広い森を君は信じないだろう

森に溶ける心地よさを まだ知らないうちは

まぶしい初夏には 辰砂(しんしゃ)を生む森にいます
ここで呼んでいます


生まれ変わるというのは こんな気持ちなんだろう

目を閉じたら 邪魔なものが飛び去っていくようだ
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2020/01/06 (Mon)
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