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中村真生子の部屋  〜 新着順表示 〜


[270] 弥生の風(妻木晩田遺跡)
詩人:中村真生子 [投票][編集]


海からの風と

山からの風が交わる

小高い森の中に

弥生の村あり。

木のうろのような家に住み

神や祖先を崇め

300年ほどそこで暮らす。

ところがどういうわけか

彼はそこを去り

村は森へと還っていった。

そして今

1700年の眠りから目を覚ます。

小高い村に佇めば

弧を描いて海が広がり

その先には隠岐の島。

海が大陸へと続く道であった

古人の暮らしを垣間見る。

海からの風と

山からの風が交わる

小高い森の中に

弥生の村あり。

風に混じって聞こえてくるのは

脈々と受け継がれてきた

いのちの鼓動。



2012/11/01 (Thu)

[269] 旅の終わりに…
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巡り
出会い
笑い
語り合い
夢見るように
時は流れ
旅は終わりぬ。
思い出と
喜びと
一抹の寂しさを
残して友と別れ
また
それぞれの場所で
いつもの
暮らしが始まる。

2012/10/31 (Wed)

[268] お社にて(2)
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お社に詣でる。
木漏れ日と
木々を揺らす
爽やかな風に
清々しい気持ちになる。
大きなものに包まれ…。
礼をし柏手を打つ
人の姿に
さらに清々しき気持ちになる。
深きものに触れ…。

2012/10/31 (Wed)

[267] お社にて
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狛犬の
「阿」と「吽」の間に
社あり。
始まりと終わりの間に
森羅万象。
手をたたき
手を合わせ
ひとつになって
ありがたく佇む…。

2012/10/31 (Wed)

[266] いつも思いがけず
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『幸せなら手をたたこう〜』の

歌をみんなで歌う。

「幸せなら肩たたこう〜」

のときに

そばのお年寄りの肩に

そっと手を置く。

手と肩が触れて

顔と顔が向き合って

目と目が合って

こぼれた笑顔をもらって

ふと幸せな気持ちになる。

いつも幸せは

思いがけずやってくる。

こんななんでもない

秋の昼下がりなどに…。


2012/10/27 (Sat)

[265] 琥珀色の光
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秋の夕暮れ

琥珀色の光。

その光の中に

思い出を

そっと放ってみる。

思い出を閉じ込めた

琥珀の宝石が

できはしないかと…。



2012/10/26 (Fri)

[264] 心に似合う服
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オーガニックコットン

アップサイクル…。

そんな素材や方法で作られた

服を選ぶ人が

増えているという。

見た目や着心地だけでなく

心や気持ちに似合う服。

目だけでなく

心も通して選んだ

体の内側から

心地よくなれる服。

きっとそんな未来をも創る服。

*アップサイクル…廃棄物を、よりレベルアップした新しいものに作りかえること。


2012/10/25 (Thu)

[263] あゆみ
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手探りで

歩く道のりで

その衣に触れ

離さず。

やがて

温かき指に

触るる

瞬間(とき)を知る。



2012/10/24 (Wed)

[262] バラの涙
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風が止み

雨だけが残った

秋の朝。

涙を溜めて

佇むように人のように

バラ一輪。

顔を近づけると

ふわり優しい香り。

冷たい雨が

降り続く秋の朝。

涙を超えて

ほほ笑む人のように

バラ一輪。

深まる秋の

雨の朝の贈り物。


2012/10/23 (Tue)

[261] おばあさん
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手押し車を押しながら

おばあさんが歩いていた。

行く手を遮る車に

気を使いながらも堂々と。

体を少し左右に

揺すりながらもと着々と。

手押し車を押しながら

おばあさんが歩いていた。

歩いてはいたけど

悠々とまるで木のように。

きっとおばあさんの足には

根が生えているのだろう。

地域(ここ)にしっかりと

根付いている丈夫な根が…。


2012/10/22 (Mon)
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