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大示の部屋  〜 新着順表示 〜


[203] アンバランス
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君と不釣り合いな香りが
僕を遠ざける

誰が選んだの?
僕にとっては毒だよ、なんて
言える立場じゃない

君にとって僕は、ただの友達

わかっていても

アンバランスな香りが
僕を苦しめる


散々だった一日の最後に灯した
アロマキャンドルは
あの香りに似て

重い不意打ちを喰らった僕は
ふて寝することを決めた


2009/03/07 (Sat)

[202] 戦地で願う
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この手で救えた命など
どれほどあったろう

神様、叶うなら
次こそは誰の魄も溢さないように

願いは届きますか



荒れた地を見下ろす
広大な星空に

罪深い男が息を吹き掛ける

戦火の名残が
想いを邪魔するのなら

『夜風を呼び、かきけそう』

人知れずの戯れ言は
気まぐれな風に弄ばれて
明日へと届く


形振りかまわぬ願いは
届かないのだろうか


終わりの無い、
無意味ないさかいに
全てを賭けるくらいなら

この願いに



私が私として、ここに在るのは
今さら、どうしようもなく

いつ失うか
誰もわからない命を懸け願うのは

あまりに愚かだろうか


命、行くとき
流れ星が空を駆けるという
私が去るときも
誰かが星に願うだろう

何処かで、きっと


2009/03/07 (Sat)

[201] 君の海へ
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微睡みの街を夜明けとともに
飛び越えて
眠らぬ涙の集落へ

夜毎訪れる君の幻を
不確かな夢の中で眺めた

忘れられぬ喪失感と
忘れたい苦しみのはざまで

想いすら揺らいでる
こんな僕は要らない

柔らかい時は躊躇い無く過ぎゆき
僕の魄を拐っていく


集まれ、嘆きの雫達
苦い羊水の中で眠らせて


漂う海風も懐かしい君の香り

聞こえるサザナミも
君が歌う子守唄


今もまた、何処かで生まれ落ちる
悲しみの涙よ

おいで、母なる海へ

2009/03/06 (Fri)

[200] その時に
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永い夜でもないのに
瞳を閉じる時が来る


その時の片隅に思い出そう
どんなことにも
本当の終わりは無い

誰かが呟いていたのを


その言葉に偽りがないのなら
私と似た心に触れた時
ほんの少しだけ懐かしんで
『忘れないで』なんて
きっと言えないと思うから


もし『切ない』と
泣いてくれるのなら

あなたを、見つめて

その中にきっと
私が在るから


2009/03/06 (Fri)

[199] 幻の世界に歪な心
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繰り返す命の始まりと終わりに

どれ程の歓びと嘆きが
在ったのだろう

少し立ち止まれば思い出せるのに

走り去る時間が
とどまることを許さない



醜く歪んだ現実を
導くものが直視しないのならば

誰が、変えていくの


必要なものもわからず満たされず
さ迷う人々が行き着く場所は
現実と離れた虚ろな世界

定められた終わりは何度も現れ、去っていく


どこにもない世界に捕われた心は狂ったことにも
気付かないまま


偽りの誕生と終わりを
再生し続ける

2009/03/06 (Fri)

[198] メガロペイン・ナイト
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途方もない夜に閉じ込めた

魔妖しの僕を

君は何故、今更喚ぶの?

痛みに身を焼きながら忘れ去った
古より遠い過去を

『もう一度』

望むのなら舞い上がり
君に贈ろう


わかっていたはずなのに
苦しむのは何故


届かない現実を願っては
否定する繰り返し

もうそろそろ輪廻に別れを告げて



僕は遠い夜より遠くへ

君の檻より頑丈な、最果てへ

狂わないように

嘆かないように
永遠に遠ざかろう

身に覚えの無い大きな痛みで
うずくまる夜が来ないように

『もう二度と』

2009/03/05 (Thu)

[197] 風に撒く星
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小さな星を一つずつ取り出すように

息を潜めて、君の傍に佇む

ふと、息が触れれば
崩れそうな君に

僕は何をしてあげられる?

星砂を風に撒けば、数多の流れ星

空に還り
願いを叶える希望となれ

この頼り無い僕をも

どうか支えておくれ


2009/03/04 (Wed)

[196] 涙=悲しみではない
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深い森の中
笑うこと無い無機質な命は

小さき者に心を与えられ
笑うことを知った


やがて時が過ぎ彼に蔦が絡まる頃

心を与えてくれた若者が
子供を連れて会いに来た

小さき者は若者の腕の中で
泣いていた


彼は、泣くことを学んだ


しかし、涙は流れない


何年も過ぎ、誰もが忘れた
深い森の奥

何度も涙を流そうと試みた
旧世のロボットは

オイルを流しきり、機能を停止させたのだった



『悲しみは理解できたのかい?』

年老いた若者は物言わぬ友に寂しげに呟いた

2009/03/03 (Tue)

[195] 最後まで、組み立てて。
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疲れた私は地面に崩れ落ちた

私の破片を拾い上げ、あなたは
組み立てようと必死で

どうしたって完璧には
戻らないのに

あなたは諦めないの
私自身、とっくに諦めてしまった
この私を

顔が、あなたの手によって
再生された頃

あなたの大きな両手の中で
最初に目にしたのは
夕闇を背負ったあなた

空が重くないの?

いつ放り出されてもおかしくない

それほどにまでバラバラな私を

空を背負いながらあなたは

私を再生してくれる


この感情、なんていうんだっけ

全部治ったら、思い出すかしら



2009/03/03 (Tue)

[194] 裏表
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間違いだらけの世界に
流されていると

何がおかしいのか麻痺してしまう

闇に夜は映えなくて


正解だらけの世界でも
浸っていると

何が正しいのか麻痺してしまう

光に太陽は意味無くて


刺激を求めるのは麻痺のせい?

紙一重の常識はいつか破られて

異なる常識に乗っ取られる

とても不安定な表裏一体は
僕の影に潜んでいる


2009/03/02 (Mon)
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