人間だけだ　
　
　
生まれてから　
　
　
殻にこもるのは

不幸を悲しむ力があるなら　
　
　
幸せを悲しむ力もあったはずだ

女はときに男らしいが

男は常に女々しいのだ

右に行くか

左に行くか

悩むときがある

きっとその道の

どちらかが当たりで

どちらかがはずれで

それで悩んでたんだと思うんだ



そこに天使がいた

天使は僕に

どちらに進んでも成功します

そう微笑むんだ



そこに悪魔がいた

悪魔は僕に

どっちに行っても後悔する

そう囁くんだ



結局自分で考えた


右に行けばきっと

左に行けば良かったって　　

思うんだ


左に行けばきっと

右に行けばもしかしたらって

泣くのかもしれない



どちらにしろ後悔する

それなら逆に選びやすい

あとは僕が決めるだけ



僕は不思議と

悪魔の囁きが

優しく聞こえたんだ

誰もがいるのが


一番怖くて


誰もいないのが


二番目に怖い

減点法の人間は

友達が増えない


加点法の人間は

友達が見えない




僕は無点法

人間になれない

自分が嫌いで

苦しい人は


横顔

綺麗にしてみてよ


君が普段

見れない角度を


誰かが

好きなはずだから

にんげんが


じさつしました


いきるいみが


わからないといいます



たんぽぽは


じさつしません


きょうもかぜに


たねをとばします



たねをとばすいみは


わからないといいます

なにかあったとき

ふたり寄り添い

助け合うの


そのときね

両目を閉じるのが

女の子で

両目を開けるのが

男の子で


でもほんとはね

片目を開けるのが

人間なわけで

歩いている

若いカップルが

なかなか手を

握り合えないのを見て

思った


恋はタイミングだ



ゆっくりと歩く

老夫婦が

自然と手を

握り合う瞬間を見て

思った


愛はひとつだ