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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[912] 存在
詩人:さみだれ [投票][編集]

ひとりになれないんだ
どんなに暗い場所でも
静まっていても

渡したい言葉はなかった
あなただってそうだ
そばにいる
心を寄せてよ

見えている姿を望んで
触れてみたって
あなたのいない心なら
満たされはしないだろ

ひとりになれないんだ
あなたがいるから
寄せあった心と心の中に
ふたりはいる

2017/06/11 (Sun)

[911] 無題
詩人:さみだれ [投票][編集]

幻想は雲の間に見える
たった一粒の星に等しい
私の世界にはもう
それは見えないのだろうと思う
月の位置も知らないのだから
君の表情などわかるはずがない
ここには私だけがいる
ただ
ただ

続きを失った物語は土に帰る
種にもなり得ないだろうに
見つからないように息を潜め
覗きこめば死んでしまいそうで
だからもういいんだ
ひとりきりでいいんだ

君の声がする
それは言葉だろうか
なんでもいい
寝たふりでもしていよう

幻想は雲の間に見える
一粒の星に等しい
私の手にいっぱいになるには
とても小さすぎた
それを大切にするために
君の手が必要だったんだ

魂魄の長い旅路が終わる
君の声が
ずっと聞こえていた

2017/05/29 (Mon)

[910] 造物
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狂ってしまえ
人類掃討なんて優しい
私はいつだって死ぬさ
お前が見ているのなら

この心を作りやがって
世界を見下してしまえ
全部なかったことにして
私を生んでくれたら

壊してやる
狂ったんだ
壊してやる
私を生んだんだ
焼き付けてやる
お前が選んだ世界を
その「幸ゆき」を

望みを叶えたぞ
理想的な死を手に入れたんだ
私はなんにだってなれる
俺をあの子に会わせてくれる
世界はなんてことなかった
単純にして愚行
ありふれた物語に
私は死んでいく

骸骨兵が
斧を持って
新芽をおがす
殺したい
私は死んでいく

嘲笑に似た
楽園の声が
遠ざかって
私を1人にする

殺せ

2017/04/27 (Thu)

[909] 夜と化して
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今日は何もなかった
私は平気なんだと思う
曇った窓に指をあてて
そこだけ透明になったよ
昨日は桜を見たんだ
私は大丈夫なんだ
信号の赤が部屋に溢れて
少ししたら冷たくなった
何が私を呼んだの
何が私を留めたの
あなたにはわからないんだ

明日は何かあるかな
私はいつもと同じだと
夜は斑にたゆたう
風船のようにしぼんでいくよ

2017/04/08 (Sat)

[908] 月の星
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ひとり月から落ちた
燃える大気に心が震えた
その先の世界はどれほど素晴らしいか
恋と呼べるほどの切なさを
知ってしまったのはここにいたから
だけどもうそれも終わり

私を呼んだのは
燃える月の破片だけ
この胸にしまった思い出すら
灰になっても気付かない
あなたの世界はどれほど素晴らしいか
そこで見るオリオンは静かで
流星は雨のように騒がしく
通りすぎるのだろう

優しく包むものは
息苦しい暗がりだけ
それが僕の世界で
君はずっと知っていたんだろう

2017/03/30 (Thu)

[907] ブルースカイエンド
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この心が
あなたに見えたら
はにかんでくれるかな
何を言うだろうか

この心が
僕にしかないなら
口にしてしまえよ
どうかあなたに聞こえるように

誰かが祈って
聞き入れられた世界で
この心が
あなたにしか見えないなら
聞こえているかな
叫んでいる
この心が

神様に見せてやろう
あなたの心を
僕がいようといまいと
お構いなしに
この心が
消えるくらいに
あなたにだけ
それだけあればいいな

2017/03/14 (Tue)

[906] ハレルヤ
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天に坐す我らの主よ
救いなどはどこにありましたでしょうか

星になれたあの子は
どれだけさみしいだろう
隣り合う者がいないあの子は
輝くことしかできない
その声をあなたは聞きましたか

存在を許す存在がいなければ
あなたをあなたたらしめるものは
もっと近くに感じられるのに
それを何と呼ぶかをあなたは知っているでしょう

歩幅を決めないでください
見えるものを遮らないでください
何ものにも届く手を引っ張らないでください
星になりたくはありません
存在を許してもらう必要はありません
私はここにいます

私はあなたに知らしめる
天に坐す我らの主よ
あなたの愚弄を
あなたの無慈悲を
あなたの孤独を

2017/03/02 (Thu)

[905] 共振
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神様が私を生かした
ううん、そうじゃないんだよ
私が生きなくてはならない世界を
私が死なずに生きてるだけ
あなたがいて嬉しい
その命も同じなんだ

夕暮れに春は生まれた
すべて輝いて見えるよ
雨粒も汚れきった歩道も
悪人の心でさえ
夕暮れに私は歩いた
とても騒がしい世界を
あなたが生きるためにある世界を
死なずに生きている
そんな命を
雪の下に見つけたよ

2017/02/17 (Fri)

[904] 無題
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春の匂いがする
わたしはどこ
雪の下にいたよ
とても冷たいんだ
でもね
いつか溶けていく
そうあってくれたらいいのに

死にたくないな
あなたを愛していないうちは
死にたくないな
僕は生きるように仕組まれたんだ
死にたくないな
あなたが愛していないうちは
死にたくないな
神様はどうあがいても僕を生かすんだ
死にたくないな
あなたには
死にたくないな
僕の心だけ持っていってよ
あとは全部置いていくよ
あなたに

2017/02/16 (Thu)

[903] 無題
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だんだんと遠ざかっていく
宇宙の始まりからゆっくりと
私の光は終わりに近づきつつも
燃えるような空の色を
保とうと頑張っていた

人である必要はなかった
何者でもよかった
ただ生きる夢を見ていたんだ
なんだっていいんだよ

限りあるなら終わろう
心なんて開け渡して
広がり続けるなら
ぎゅっと丸めて
庭に埋めてしまおう

やがて芽が出る
雨が降り 日が射す
少しだけ大きくなったら
空を見上げる
遠くて見えなくなった星を
なんとなく探す
風が吹き 季節が変わる
また少しだけ大きくなったら
君を探そう
遠くて見えなかった心を
露に映して

2017/02/11 (Sat)
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