ホーム > 詩人の部屋 > もとりの部屋 > 新着順表示

もとりの部屋  〜 新着順表示 〜


[191] 空虚。
詩人:もとり [投票][編集]




痛み止めの代わりに

煙を深く吸い込んで

不満を形にするように

空気に溶かして燻らせる


じわじわと蝕む倦怠感に

身体が麻痺してしまいそう



抱きしめられたその腕に

感情など微塵にも無く

交わした言葉にも

何の意味も無い


一時の温もりと引き換えに

大切な何かを失って



これは跡の残らない

自傷行為

涙が出るのは痛みなのか快楽故か


ただ、寂しかっただけ

ただ、埋めて欲しかっただけ



抱き合いながら眠る夜

それでも孤独感は拭えぬままに




2016/01/14 (Thu)

[190] エンディング。
詩人:もとり [投票][編集]



小さな彼女は視線を落とし

赤く染まった輪郭を撫でながら

届かぬ言葉を紡いでいく



結末がいつも幸せなんて

一体誰が決めたっていうのかしら


シンデレラの硝子の靴は壊れてしまった

眠れる森の美女は誰にも知られず朽ちてゆき

白雪姫は毒に侵され息絶えて

人魚姫は愛したが故に泡沫の様に溶けていく




現実は醜く残酷で

夢だけでも見ていたいだなんて

可笑しな話でしょう



愛しい貴方はもう居ない

在るのは置き去りにされた私と残骸


愛でる様に指を滑らせ

静かに彼女は別れを告げる



安らかにと願いながら

捧げる歪んだ鎮魂歌



2016/01/04 (Mon)

[189] 愛し合う他人。
詩人:もとり [投票][編集]




僕は君の事を何も知らない

知っているようで何も知らない


好きな物や

仲の良い知人や

住んでいる所さえも


君自身の事であれば

大体は理解してきたけれども

君の背景は全く知らない



近くて遠く

手に入れてるようで掴めない


だから今

君が連絡を断ってしまえば

いとも簡単に繋がりなんて切れてしまう


それは恋人や友人と言うよりも

深く繋がっている他人 と言うより他にない



君と僕の関係を表すならば

そんな脆い結び付きで





2015/12/29 (Tue)

[188] 無神経。
詩人:もとり [投票][編集]




君の何気無く放った一言が

どれだけ僕を不愉快にさせているのか


笑いながら

言葉を用いた暴力を重ね

傷付けている事すら君は気付かず



怒った様を見れば

冗談なのにと言葉を吐き捨て


悲しむ姿を見れば

そんなつもりじゃなかったと

言葉を濁す



嗤える


そんな物

受け取り手次第じゃないか



お決まりの笑顔を貼り付けながら

冷えていく感情を僕は知らない


段々と心が離れ

距離を置かれていくのを君は知らない



それに気付かず

また日々を重ねていく


限界まで

あと少し



2015/12/07 (Mon)

[187] 憂鬱。
詩人:もとり [投票][編集]




落ちる

落ちる


落ちる



どうせ誰も気には留めない

私も他人等気には留めない


夢に描いた理想なんて

所詮空想のおままごと



落ちる

落ちる



理解されない

感情が目まぐるしく動く

嘲笑う君の姿に心の中で嫌悪して


落ちる


落ちる



薄っぺらい飾り付けで

言葉を紡いでみせたって

中身が無い事すらお見通し


酷く滑稽

見苦しい




落ちる


堕ちる



何処までも






2015/11/13 (Fri)

[186] 大切な人。
詩人:もとり [投票][編集]




今迄出逢った人なんて

ほんの一握りで


吐いて捨てる程に

人なんて溢れかえっている



すれ違い

時に交差し

紐解く様に離れていく


そんな無限に広がる海の中で

私を見つけてくれてありがとう

大事に想ってくれてありがとう



吐いて捨てる程に人は居る


だからこそ大切にされたら

想いを返したい



愛してくれて

本当にありがとう




2015/11/01 (Sun)

[185] 愛。
詩人:もとり [投票][編集]


沢山傷付けて

沢山傷付いて


時には距離を置いて

自然に寄り添って



疑ったり

安心させたり


離れたり

傍に居たり



平坦な道では無いにしても

愛してると心から言えるよ


それでも毎日欠かさず

愛の言葉で包んでくれる貴方に



愛がある故に

心が動いているのだから



2015/11/01 (Sun)

[184] 二人ぼっち。
詩人:もとり [投票][編集]





貴方の隣に居るのに

まるで存在して居ないかの様


干渉しない貴方に合わせて

私も貴方も互いに別の世界に耽って


携帯で繋がる別の誰かに夢中な貴方に

本当に私は必要なの?



顔を合わす事も無ければ

私を思い出しもしないのでしょう


声を漏らしても良い?

本当は寂しいんだと



今日も私は

憎みながら貴方が来る事を待ち望む


もう終わらせたいと

愛しているのにと


言葉を漏らして






2015/10/28 (Wed)

[183] 交わることのない平行線。
詩人:もとり [投票][編集]


ふと思い出して

心を抉られる


何故私を優しい嘘で染め

淡い夢を見せたのだろう


幸せを知らなければ

こんなに心を締め付ける事も無かったのに



二人で思い描いた未来は

私だけしか見なくなり

優しい嘘は残酷な現実に塗り替えられた


無理に遠くへ誘い出して

雑踏に紛れた私達は

確かに二人ぼっちだったね

同じ物を見て

同じ世界を共有していたよね


私は泣きそうで

このままこの手を離したくない

このままずっと居られたら良いのにと

ずっと願って居たんだよ



もう望めない夢で

もう掴めない未来で



もう動けないよ


貴方は変わっていくのに

私はちっとも変われないのに





2015/10/12 (Mon)

[182] 破壊衝動。
詩人:もとり [投票][編集]




今の私には何もない

探してももう見つからない


失ってまた埋めて

失って


同じ事の繰り返し




恋い焦がれて

会いたくて仕方なくて

一人で泣いたり


会えるだけで幸せで

抱きしめて優しく愛されて

求められて満たされて


そんなのはもう泡沫の夢

望めない



満たされるどころか

枯渇気味で退屈で


このまま満たされないのなら

いっそ壊してしまおうか



関係も

信頼も


私でさえも


2015/10/10 (Sat)
239件中 (51-60) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 24
- 詩人の部屋 -