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猫の影の部屋  〜 投稿順表示 〜


[533] 踏み越える理由。
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しん、と寒い部屋の中

ベッドの上に僕はいる

空気までこおりついたようで

死のう、と思った

ただ、孤独だった

2014/06/14 (Sat)

[534] しかたない。
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余計なことも

逃げたいことも

投げ出したことや

目を閉じたことも

どうしたって私のものだから

仕方ないよね

仕方ないなら楽しんじゃうしか、ないよね


2014/06/25 (Wed)

[535] きっと、咲くから。
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ずっと花をつけないものだから

もう諦めていた

今年の夏咲いたその花は

赤く強く美しかった


きっと 大丈夫だよ

君は庭を眺めたまま呟いた



コップの中の氷の音が

カランと響く 夏の午後だ

2014/07/02 (Wed)

[536] 夏の夜の夢。
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闇の向こう

庭の方かはわからぬが

りーりーりーと鳴いている

部屋の中かもわからぬが

りーりーりーと哭いている

どこにいるやらわからぬが

りーりーりーと闇の蟲

2014/07/17 (Thu)

[537] 蝉の声。
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背中にはりつくTシャツのすそ
ひろげて風を通しつあなた待ち

2014/07/28 (Mon)

[538] なつのかぜ。
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うそのように蒼い空

夢のあとが駆けていく


吸い込む風は熱く

君との夏を思い出す


あの夏はとても暑くて

とてもよく笑った

2014/07/28 (Mon)

[539] 君を追って。
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炎天下 君の後を追った


鳴り響く太鼓の音、祭囃子

どこかで割れる水風船

子供が泣く声 母を呼ぶ


炎天下 君の痕を追う

間に合わなくてもいいと思う

2014/07/29 (Tue)

[540] 殺意。
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世界をまるっと殺してしまえたら、なんて

結構ずっと思っている

その後に残るものがあるとしたら

きっとそれって「ほんとう」なんじゃないのかとか

思ったり


殺せるものは限られていて

どうしても離れ難いものがある


それでもまず、殺すことかははじめなくちゃ

はじめることから、殺さなくちゃ

2014/08/20 (Wed)

[541] 恋。
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どうにかなってしまう
君のことをよく知りもしないのに
どうにかなってしまう
好きという言葉からさんざっぱら逃げてきたのに

声色も
笑顔も
話した内容も
全部わからなくなっているのに
日増しに君の存在が
この胸のうち、大きくなるのだ

君のこと、なにも知りはしないのに
好きになる、根拠のひとつもないのに

どうにかなってしまった
どうにかなってしまった

2014/12/02 (Tue)

[542] 最後から何番目かの恋。
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重みのない言葉ばかりつぶやいて

君の頬をなぞるんだ

届かないような気がして不安になって

ぎゅっと強く抱きしめる


何度も何度も泣きそうになる

君がここにいることに

何度も何度もキスをした

確かめるように

確かめるように

2015/02/19 (Thu)
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