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ヒギシの部屋  〜 投稿順表示 〜


[194] 名前は思い出せない
詩人:ヒギシ [投票][編集]

窓の外
山の向こう側に
沈んでいく
そう丸くはない月を見て

ちょうどあの山の
向こうくらい昔
道端の雑草を摘んでは
コップに水溜めて
窓辺に飾った事
何となく思い出した


道端の花は
道端で咲いていた方が
綺麗なんだと
今ではそう、
思うのだけれど

あの月くらい昔は
そんなへんな
いつの間にかの決定事項
無かったのに、と

触ると弾け飛ぶ
へんな種を思い出しながら
眠りに落ちた


弾ける夢を、
見るかもしれない

2005/06/21 (Tue)

[195] 雨恋い
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明日は雨だと
確かに聞いた

干上がった地面を
早く潤して
とりどりの夏の花を
見せてくれよと

降ると聞いてから
雨乞いをした


人様の傘でバタバタと
単調に演奏して
蒸れたつま先を少しだけ
濡らしに来てよと

月を隠してく雲が
今夜は賓客に思えた

2005/06/21 (Tue)

[197] ハイジャンプ
詩人:ヒギシ [投票][編集]

夢の中で揺らいだ影が笑った
僕は水から首を出して
影が泡と絡み合うのを待っていた

思い切り駆け出せば呼吸は乱れて
胸が悲鳴を上げる度
そっと道端で寝転がっては
先を越す雲を数えた

卑怯にも 不器用を理由に
マイペースなペース配分
微笑んで可愛がってくれるのは
決まって他人だった

顔を出したばかりの太陽が
反対側へ沈む前に
やって来た雲が覆う前に
視界の開ける坂の上まで行きたい

夢の中で揺らいだ影は
僕の隣で笑わなかった
乱れた呼吸に絡み付くように
さり気ない鼻唄うたってった

坂道の向こうに海は見えるかな
絶壁だって構わないから転がり落ちたい
狂おしいまでの抱擁を頂戴
ゴールが見えたらハイジャンプ

2005/06/26 (Sun)

[198] 頼み事ひとつ
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行き過ぎたネガティブ思考
その口は生ぬるい 澱んだ沼の底
寄り添うように重なる闇ばかりを啄んで

重く沈み込んだ泥へ首をもたげては
遙か上方煌めく水面に焦がれる


潜行する水鳥が
あんたの目を突っついた
低い悲鳴を上げて零れた泡が
濁りを越えて青い空へ向かった

あんたの身体から出たものが
憧憬の光にさらされた
棄てたこと 放れたこと
惜しむんじゃなくて

まだ間に合うから
もう一度食らい付け


目玉が光をとらえるうちに
本当に手遅れになる前にさぁ

2005/06/29 (Wed)

[199] 幸福のスパイス
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ねぇ 貴方が前を向いて
逞しく向かい風をきってくのは
とても喜ばしいことだ

でも 貴方が眠れない夜に
闇の中に浮かび上がるあの子
どうにかしてあげるべきじゃないか

ほら 泣き声を聞けばわかる
ふさぎ込んだままの若い貴方だ

大人達の世界が怖いんだと
色んな事に蓋をした大人は言うが
どうだろう
子供の影に怯えちゃいないか?

幸せを祈り続ける限り
悲しみは泣き止まないって気付いた
情けない顔の自分を置き去りに
見て見ぬフリして駆けだした

ねぇ 悲しみを知らない人になって
貴方はどこへ向かうのか
安定した光の中に居ては
その光の眩しさなんてわからないだろ

でも、ほら あの子は知ってるよ
大切なことを知ってたよ

かっさらえ 幸福のスパイスだ

2005/07/11 (Mon)

[200] 無題
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黒い傘を差していて気付かなかった
いつの間にか雲は白く 空は青くなり
まだ湿るアスファルトを照らしていた

姿勢の良い猫は道端で伸びをして
そのとなりを大きな葉っぱが転がった

眩しい朝はただ 窓辺で囀る小鳥を
しめやかな夜はただ 袖に絡まる風を
緩やかに明くる日へ向かうための
優しい毛布をかけ直して行っただけ

そんなことだったんだよ

2005/07/12 (Tue)

[201] ばからしい唄
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互いの純情をぶつけ合うような
拙い恋はもう出来ないって君は言うけど
遠い記憶を大切に取り出して
懐かしみと共に憧憬を感じてる

頭で先を読むことだけが
本当に大人と言えるのか?なんて
自分に都合よく理屈こねる僕に
君はがっかりするんだろうか

傷付けたくないなんて殺し文句で
隠した本音を教えてよ
考えじゃなく気持ちが聞きたい
理論じゃなくて戯れ言が聞きたい

本気で笑ったり泣いたり
そんな風な確かな証が感じられるように
当たり前に好きで居たい

片一方だけの要求って判ってる
嫌われるのが一番怖いから取り繕ってる

でも偽りばかり増えたとして
いつかそれが見つかったとき
僕はどうなってしまうんだろうって
考えると消えてしまいたくなるよ

君の隣で朝の光に呻いて
君の腕の中に隠れてしまいたくなる
そんな事したら君は
慌てて僕を放り出すだろうね

求められればすり寄って
叫びたいのを堪えてる

そんな自分が酷く情けなくて滑稽で
それでも君が好きなのが悔しい


寝言に乗せた本音が
たとえ僕を遠ざける言葉だとしても
こんな我慢を止めさせてくれるなら
涙が零れようと笑ってさよならを言えるよ

だけどまだ傍にいたい
離れたくなくて

君の声を聞く度に
わがままばかり増えていく
君の言う理想から離れてく自分に
また一つ仮面を被せる

2005/09/01 (Thu)

[202] 暖炉にくべた幾つかの薪
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ちらちらと燃える
幸せな暖炉の前で
僕の中の子供が
面白い音を立てた

チッ と小さな
舌打ちにも聞こえる
あまりにも曖昧な音は
僕の中の他の誰かに
無防備に全てを委ねて
寝息だけを残した

小さなクエスチョン
揺らいだ炎に水が一滴
じゅうと喘いで焦らされた

チッ チッ チッ
猫を呼んでいたのか
人差し指を振ったのか
時計の針が振れたのか

小さなクエスチョン
子供が僕に問いかけた
あまりにも曖昧で
抽象的な子供の時間が
暖炉の前で、灼かれてく

チッチッチッチッ
端から端から焦げていく
小さく 面白い音で

2006/01/17 (Tue)

[203] えがお
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水溜まりに落ちて半分になった
虹色のシャボン玉みたいな

まるい猫の背に落ちて揺れる
昼下がりの木漏れ陽みたいな

少しだけ切ない綺麗なもの

2006/05/18 (Thu)

[204] ナスタチューム
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昨夜寝つけなかった
宵っぱりの僕も
朝、窓から吹き付ける
新しいにおいの風に
いちにち分、あるいは
午前中の分
笑って過ごすだけの元気を
分けてもらったりするんだ

天気予報は指し棒で
大雑把に曇っつったけど
見上げれば空は青い
高いところを飛行機が行く

少し腹が痛いのも、
昨日からの寝不足も
大雑把にひっくるめて
わりと爽やかな気分らしい

ナスタチュームが玄関で
揺られながら僕を見送るから
その風に背中押されて
今日も鞄提げてこう

2006/05/20 (Sat)
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