[7] 善田です。 |
大分前に中村さんの「ある思い出」を読んで、親が生きているうちに少しでも喜ばせてあげなきゃ、と思いました。たまに実家から小包が届きます。パパイアやマンゴー、手作りの金平ゴボウだとか。それらを食べながら、ぼくも中村さんがホテルでプラムを齧りながら涙を流したような経験をいずれするんだろうと思いながら、故郷の味を大事に噛みしめたりしています。
今朝早くに、シャワーを浴びながら浮かんだ作文を、上がって直ぐに投稿したあと、暫くしたら母から電話がありました。「何も用事はないけど、あんたの声聞くと元気でるから」と言っておりました。作文が母を主題にしたものだったので、余りのタイミングの良さに少し驚きました。
「80年も昔の話」も、当時は本当の意味で社会や地域が子供を育てていたんだと、とても興味深く読ませて頂きました。それに較べると、子供手当ごときの政策で「国民みんなの手で子育てを」と謳うスローガンが薄っぺらく虚ろに響きます。
実は、斐伊川とスサノヲの関係についても中村さんの意見をお伺いしたかったのですが、長くなりましたのでいずれ機会があれば、ということで。
勝手なお喋りを長々と失礼致しました。
それでは。
[8] 善田さま - 中村真生子
父にはあまり親孝行ができず、後悔をしています。
父は若い頃、文学が好きだったので、少しでも文章を書くのが供養かなと思っております。 母にはできるだけ後悔をしないようにとは思っています。 なかなか難しいですが。 以心伝心ってありますよね。 きっと書いておられるとき、お母様に気持ちが届いたのでしょうね。お母様のお言葉、素敵です。 あのお乳の話は私も初めて聞きました。 すごいなあと思いました。 私も出雲神話には興味があります。 でも、善田さんの方がお詳しいかも。 こちらで調べられることがありましたら、調べてみますよ。 貴重なご感想をありがとうございました。 2012/03/23 22:40
[9] Re^2: 善田です。 - 善田 真琴
出雲神話にはぼくも詳しくないですが、興味はあります。「出雲国風土記」という本を何年も前に買ったのですが、まだ全然手を付けていません。
日本初の和歌がたしかスサノヲの詠んだ「八雲立つ/出雲八重垣/妻籠めに/八重垣作る/その八重垣を」だったと思います。 スサノヲは「荒ぶ」が語源で、しばしば氾濫し治水に困った斐伊川の神格化されたもの、という説を読んだことがあります。 また、金達寿さんの「日本の中の朝鮮文化」という本の中に、スサノヲは朝鮮の神様だと書いてあったと記憶しています。確かに古事記にも、朝鮮経由で日本に来たという記述があったと思います。 しかし、スサノヲが朝鮮の神様と断定するのは間違いです。なぜなら、4世紀後半から7世紀の中盤まで、朝鮮南部には倭人が住んでいて、簡単に言うと、外地(朝鮮)と内地(日本)の関係だったと思われるからです。 司馬遼太郎さんの「街道をゆく」によれば、新聞記者時代の同僚に対馬の人がいて、その人は戦前まで、週末になると映画を観るのに博多ではなく、韓国の釜山まで行ったそうです。朝鮮半島はそれだけ地理的・心理的に身近な土地だったのでしょう。 また、スサノヲは「まつろわぬ民」 の象徴でもあったとぼくは思います。古事記によれば、スサノヲの乱暴な振る舞いの結果、アマテラスは天の岩屋戸に引き籠もり、スサノヲは出雲へ行くことになります。 出雲は「大和朝廷」に対抗する一大豪族の拠点でした。大和に屈服する様子が「国譲りの神話」であり、その対価として出雲大社は日本一立派な神殿を作ることを保障されました。その内部にはたとえ天皇であっても立ち入ることが許されません。また、十月の古称は普通は神無月ですが、出雲では「神在り月」というそうですね。十月には八百万の神々が出雲に結集するから、だとか。 ぼくの知識はそんな所ですが、記憶だけで書いているので、間違いが多々あるかも知れません。出雲の人たちは、古事記などに書かれたスサノヲの姿をどんな風に受け止めているのか。その辺りが、中村さんに聞いてみたいとぼくが思った所です。そう言えば、大黒様だって、もともと出雲ですもんね。 以上、またダラダラ長くなってしまいました。 それでは。 2012/03/25 16:08
[10] 出雲神話について - 中村真生子
善田様
貴重な情報、ご意見をありがとうございます。 この歌はスサノオが八岐大蛇を退治して、稲田姫との新居を構えた須賀神社で詠まれたものですよね。 須賀神社の辺りに来られて、スサノオはすがすがしい気分になってこの歌を詠んだといわれていますが、背後に山があり、でも周りはひらけており、確かにすがすがしい気分になれる場所です。 こちらでは8つの支流をもつ斐伊川が、八岐大蛇ではないかと言われています。また、八岐大蛇はオロ族ではないかとも言われています。 おっしゃるように日本海川は大陸との関係が強く、その付け根の部分に出雲大社がある島根半島は、4回国引きをしてつくられたと神話(出雲風土記)にありますが、その1回目は新羅だったと思います。 スサノオは、大暴れした後、誤解が解けて、母であるイザナミ命(生まれたのは父イザナギの鼻からですが)に会いに根の国行くために、出雲(根の国との境である黄泉平坂がある)に降り立ち、八岐大蛇を退治します。 大黒様は出雲大社の主祭神である大国主命です。大国主命はスサノオの娘(セビリヒメ)を正妻に迎え、国造りをしますが、アマテラスの一族に国を譲り、代わりに巨大な神殿を建ててもらいますよね。 出雲では神在月に「神在餅(じんざいもち」というのを振舞っていたそうですが、それがなまって「ぜんざい」という名称のルーツになったといわれています。 スサノオは天上界にいたときは、たいへん暴れん坊でしたが、出雲に来てからはオロチを退治するなど、善い行いをされた印象があります。また、大国主が娘のセビリヒメと駆け落ちをする場面では娘の父親らしい、人間らしい一面も見られます(「古事記」)。スサノオと八岐大蛇の話はタタラ(鉄)に関係しているともいわれています。タタラについては今後、勉強したいと思っているところです。 ところで、今年の7月21日〜11月11日まで、出雲大社周辺を主会場に、「神話博しまね」というのが行われますよ! 2012/03/26 11:03
[11] 訂正です - 中村真生子
中ほどやや上の
日本海川→日本海側 でした。 2012/03/26 11:08
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