それはもう
衝動的に吹雪きの中
ふらっと出かけた

行きついた映画館で
何年も前に死んだ彼の
コンサートをやっていたから

ちょうど時間も良い感じだったし

彼については
何も知らない

知っているのは
「尾崎豊」っていう名前と
若くして亡くなった伝説の人っていう話と
ほんの少しの彼の曲だけ



怖いくらい
心が震えるってこういうことか

目の前のスクリーンの中
ステージの上でこんなに生きてるのに

どうして彼は死んだんだろう

ステージの上でしか生きられない人だったのかな
歌えなくなったから
死んだのかな


もう死んでしまった彼の方が
生きている私よりも
生き生きしていて

死んだのは私の方じゃないのかって

約２時間快感浸って
なんかとても興奮してしまったようで

帰り道
閉じて行く踏切に
飛び込みたくなる衝動を必死に抑えてた

ような気がする

なんかぼーっとしてて

まだ変な感じ
さっきまで見てたコンサートが

天国だったのかしら