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サエの日記

2020年02月






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プロフィール
詩人名 : サエ
詩人ID : 02190531
年 齢 : 32歳
性 別 : 女性

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過去ログ

2020.2.5
2020/02/06(Thu)

電話してもいい?
いつもよりちょっと駆け足なメッセージが嬉しかった。
まるで私が恋しいようで、それが勘違いでも、ばかな私は幸せだ。
今の幸せのためにばかなふりだってしよう。

かわいいと聞こえるたび、私が照れて笑うから
笑えていて良かったとあなたもまた笑う。
限られた時間の中の束の間の至福は
あっという間に過ぎて、私をまたひとりにする。

だけどあなたが今夜、耳元で私の名前を呼んだから
ひとりの夜も満たされる。
私のなかに少しでもあなたの声が残っているうちは
どんな夜も満ちていく。

消さなきゃいけないメッセージを
いつまでも眺めては数時間前の自分に嫉妬して、
電話も切れない優しいあなたに代わって
後ろ髪ひかれながら電話を切った自分に後悔して、

あなたが眠りにつくまえに
思うのが私であるようにと、
あなたが目覚めたときに
浮かぶのが私であるようにと、
相変わらず図々しく願ってしまう。

サエ

call
2020/02/14(Fri)

きょうは3回も電話をくれた
屋上から きっとあなたはこっちをみてる

ねぇ 知らないでしょ
わたしがこんなに夢中なこと
ねぇ 知らないでしょ
あなたが冗談言うたびに
空っぽの笑い声だけ響くの
ねぇ 知らないでしょ
今夜もあなたに会いたかったの

不安定な約束を信じられるほど
わたしは純粋じゃない
好きだけで突っ走れるほど
わたしは子どもじゃない
でも
バッドエンドが分かってて
今すぐにあなたを切れるほど
わたしは大人でもない

誰かの不幸のうえに
成り立つわたし達の至福は
きっと人生のなかのほんの一瞬
どんなしっぺ返しが来ようとも
わたしはあなたを避けては通れなかった

好きと言えても
愛していると言えない寂しさ
あなたの腕に収まるたびに
心でぽつりと言ってるの
わたしはあなたを愛してる

サエ

トンネル
2020/02/19(Wed)

オヤスミって送ったじゃない
いつものように
オウム返しで
オヤスミって返ってくると思うじゃない

イレギュラーな幸福は
いちいち私を困らせる

思い通りになってやらない、と
安っぽい意地は灰皿に捨てて
雑誌で見たばかりのすっぴん風メイクを真似てみる
浮き足立っているのは明確で
光の速さで済ませる支度は
あなたを待たせたりしない
なんだか悔しくて
ちょっと遠回りをした

あなたの胸に収まると
深呼吸がシンクロして
不覚にも
幸せだと噛み締めてしまった
今夜、
すきも嫌いも
あなたには言わない

制限と意地で造りあげた私
だって本音なんて出したら
重いじゃない
うざいじゃない
あなたから求めてくれただけで充分なのに
心まで欲しいなんて
言えるはずないじゃない

眼を逸らさないで見ていてくれた
瞬きも呼吸も忘れるほど夢中に

時計を見ないでいてくれた
眠いくせに
あなたの自分勝手が嬉しい

今夜一緒にいてくれた
まるでふたりでひとつかのように

理性も常識もない
イミテーションかもしれない
きっと今 世界一欲張りなふたり
そんな恋があってもいいじゃない
痛みも心地良さもひとつもこぼさず掬いたい
そんな恋があってもいいじゃない

イレギュラーな幸福は
つくづく私を甘やかす

サエ

やきもち
2020/02/25(Tue)

わかってた
あなたの休日にわたしはいらない
わかってた
あなたで止まった連絡は今日はもう来ないこと
わかってた
あの人とはちゃんと繋がっていること
わかってた
あの人がいればわたしはいらない

わからない振りも疲れるね
疲れるって誰にも言えないのに

あなたの靴はどこいった?
両方揃った靴はシンデレラじゃないけれど
あなたがそこにいるようで少し嬉しかった
今夜あなたの靴はいなくなってた
わかってた
あの人が持って行ったこと
わかってた
あの人なら持っていってしまうこと

わたしもあの人も
これ以上何を欲しがるの?
今以上何を求めるの?
わたしもあなたもあの人も
滑稽なほど貪欲で
自分勝手ではしたない

流れ星なんて見るからだ
夢になんて願うからだ
考えおこす暇もないほど
忙しい毎日が今は欲しい
飽きるほど抱かれたら
今度こそあなたを失いたい


サエ

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