詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
からっぽじゃなくなってしまったら
怖いじゃないか
失う事が怖くて
認められた後に否定されることを恐れて
からっぽのフリをした
一段高いところから
日々を四苦八苦しながら消化する生を
せせこましいと嘲笑い
数段低いところから
成功した個を恨めしく見上げて
運が良かっただけだと唾を吐く
からっぽで
透明で
部外者で
だっせ
本当は
たぶん
孤高で
無双で
唯一無二で
心の弱さを
不変のものだと認めてしまったら
すべてに恐れて逃げるしかなくなってしまう
どうせよわっちくて
フリするんなら
孤高で
無双で
唯一無二で
一人が怖いなら
うん
一緒に
くだらなくてつまんないけど
たぶん
本当の話
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あんたらはえらいよ
あんたらはすげえよ
右見ても左見てもパズルみたいな毎日を
一生懸命つじつま合わせて
昼に守る為の言葉を集めて
夜に闘う為の牙を研ぐ
そうやってやっとの思いで築き上げてきた平穏をがむしゃらに貪り尽くす者達に
ただ笑顔で
大きくなれと言う
あんたらはえらいよ
あんたらはすげえよ
俺はガキのまんまだから
あんたらみたいになれねぇからさ
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おい
おまえ
バカのフリすんな
おい
そこのお前だよ
めんどくせぇってなんだ?
おい
空気読めって
流されてるだけじゃん
おい
おまえだってば
ほんとはわかってんだろ?
作り笑いとか
やめちまえよ
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電話をかけるといつも不機嫌そうな声で
はい
とだけ聞こえる
朝起き抜けのテンションは
そりゃぁもう奈落もびっくりの低空飛行
人の話は聞かないくせに
少しよそ見をしただけでリピート不能のワンチャンス
だけど
僕が君じゃないとダメなのは
君といると行ってきますとおやすみの意味がわかるから
さぁ
明日もがんばろ
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結局は欲求不満
言い訳は数在れど
そんなに相対的なモノばかりに捕らわれたストレスなど
とるにたらない
苛つく事すべてが鏡
仮説1
この世は私が産まれた瞬間に出来上がった
だとしたら?
やっぱり
俺が死ぬ時になくなんだろう
この世の全ては鏡
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昼間青空を映した窓は
今や暗闇の浸食を防いだ壁の覗き穴
光の無い場所で謳う雨は
眠れ眠れと早口でせき立てる
火傷の跡にやっとできた薄皮を猫に舐められるような
そんな感覚が一晩中続くと思うだけでどうにかなりそうだ
まだ気を失った方がましだ
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荒野の真ん中で
ズドンと胸に大穴を空けられた
そんな感覚を探して
だけど見つけられなくて
結局舞い戻る
世界で一番高い場所で
落ちる恐怖と闘いながら大声で叫んだ
そんな感覚を探して
だけど見つけられなくて
結局舞い戻る
自分で生み出すのは難しいから
結局舞い戻る
だれか僕を連れ去ってよ
まだ見たことのない
僕の中の
楽園へ
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ゲシュタルト崩壊を繰り返し
真実という言葉の意味すら解らなくなった僕たちが
次に見つける拠り所は何だろう
口にした瞬間に意味を失う言葉が
この世には確かにあって
それでもどうして
ジョン・レノンは愛を叫んだのだろう
何が起こっても揺るがない心を持つという事は
死んでしまうと言う事?
不確かなものばかりな事が悪いことだと決めつけたのはどこのどいつだろう
変わらないものが在るなどとほざいたのはどこのどいつだろう
耐え難いノスタルジーに別れを告げて
今を必死に生きようじゃないか
根刮ぎ全部
変えてやるさ
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この長い真っ直ぐな路地に
街頭が一つしかないのはおかしい
道沿いの家は雨戸を締め切って
暗闇を演出する
何時も僕をつけてくる足音や
街頭の手前で吹く生ぬるい風も
確かに気味は悪いけど
それでも今目の前を歩く人よりはずっとましだ
今日は一日中晴れで
雨なんか海外まで行かないと降ってない筈なのに
ずぶ濡れのスーツを引きずりながら歩いてる
それだけならまだしも
首をずぅと不自然に傾けて
真後ろにいる僕から
その鼻先が見え隠れしてる
まぁだいたい検討はつくけど
いつものことだ
そうだね
もうすぐ彼岸だから
お帰りなさい
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もう少し
気温が高ければ
少しはましな答えが出たのかもしれない
口から出たのはNO
群から追い出された元リーダー猫のような
そんな年寄りに突き付けた僕の答え
子飼いの手下にクーデターを起こされた
そんな表情を平気で晒すほど弱り果てた老猫
だけど
もう君の意のままに人が動くほど
君には力なんてないんだよ
今日から群のボスは僕
だから
ただ去ればいい
惨めに
消えゆくように
花など持たせるものか
すべてを奪い去ってやろう
君のプライドすべて
それが
僕が君に手向ける
最後の優しさ