詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
あなたが
少し口角を上げただけで
セピア色の世界が終わりを告げる
傘の中で
水色に光るその瞳は
幾何学的な線形を辿って何かを捉える
その導線から零れる滴を受益する虫のように
僕はそれを辿り
あなたと同じ感動を得ようとする
そうして雨空の無機質な情事が成立した時
無言のまま僕らは
気の抜けた笑顔を交わしあう
「雨の日もいいもんだね」
あなたがそう最後に呟くことで
僕たちの「いつも」が完成するのだ
そんな秋が
僕はいつも待ち遠しい
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青空に輝く太陽が一つ
透かした左手には
薬指に日焼けの跡
まだ夏の面影を残す一陣の風が
黄色くなり始めた木の葉を揺らした
さぁ前を向こう
滲んだ景色を
空っぽの右手で綺麗に拭き取って
もう一度
真っ青な空におはようを告げた
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日常にやさしさなんかいらん
それでも
どうせ時間は過ぎてくから
日常に救いなんていらん
だって
結局自力で這い上がるしかない
意地張って歯食いしばって
細い糸が切れないように
ねぇ
こんなよわっちい俺だから
こんなくそつまんねぇ俺だから
ひとりでこそこそ涙ながして
強いふりして
それでも明日に行くために
あなたの強さを
ちょっとだけ貸してください
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ストイックな妄想と
スタートレックな価値観が
二次元の可能性を解き放つ
前人未到の皮算用に
解読不能の独り言
寝言は寝て言えてやんでぇ
そろそろ夏もさようなら
銀週の始まりは血の味がした
少年よ
野望を抱け
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正しいと思うことだけやったら
隣のあの子が泣いていた
間違っていると思うことをやったら
目の前のあの子が笑った
錆び付いて軋む正義に
泥だらけのぬくもりを
仕方なく笑う悪意に
最上級の優しさを
世界が平和にならないのは
あなたが笑顔にならないからだと
どうか気付いて欲しい
思った事をうち明けたら
泣いてたあの子は笑ってくれた
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やるべき事はやっています
人並みには
自分の限界なんかしりません
そこまでやってないから
もちろん
人間は産まれながらに平等ではないと思うし
死ぬまでにそれを埋められるもんでもないと決めてます
勝手に
試した事はありません
だって怖いから
なにが?
負けるのが
うん
すげぇ怖い
たぶん
誰かには勝ってると思っているから余計
負けるのが怖いです
情けないです
全力のつもりでやり終えた後に
言い訳できる分のブレーキをかけてた自分に気づいた時が
どうしようもなく情けないです
カッコ悪い自分をまず認めようと思います
うん
だから
ここが僕のスタートライン
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パフォーマンスもなおざりで
伝染病よりタチ悪い
不退転なる覚悟など
口先二寸の茶飯事
もう一回だと言うのなら
どうにも態度が気に喰わぬ
相談しよう
そうしよう
このままでいいはずがない
このままで逝けるはずがない
相談しよう
そうしよう
正しいかどうかしらねぇが
それでも時は過ぎていく
時は来たりて
鐘は鳴る
もう一度だけ言ってみる
どうにも態度が気に喰わねぇ
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窓の外を何気なく眺めた
影を境に地面を絨毯爆撃する陽の光
空は今日も涼しげな色合いで
馬鹿な人間を欺こうと狙っている
そしてこっそり天気予報だけが
彼らの真実を教えてくれる
人造の冷風に甘えた人間は
それを実感する事なく恐怖に打ち震える
なのにどうして
この窓から
緑の葉が煌めきながら揺れるのを見ると
海面が虹色を放ちながら流れるのを見ると
私は靴を履き
今もまだ続く太陽の攻撃に曝されようとしてしまうのか
別に夏が好きな訳じゃない
ただ
ただ
胸が踊るだけ
それがどうしても
止められない
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今日は少し
タオルケット無しで寝るには肌寒い
夏のくそ暑い夜の一時休戦か
それとも今読んでる都市伝説のサイトのせいか
なんか妙なもんだ
幽霊とか呪いとか
頭では信じてないんだけど
一人だと不安になる
瞼の裏に広がる闇にさえ
一瞬躊躇してしまう
人の悪意や闇
恐怖や妄想
そういうモノが
人の心に与える影響
誰かが言った
「あんたの言葉は人を殺せる」
窓の外の真っ暗闇から
在るはずもない視線を感じる今なら
少しだけわかる気がするよ
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第九サイズの盤面で
鏡としての利用価値を失った光が
淫らに乱反射を始める
生きとし生けるものすべてに
月明かりよりもわずかな熱を届けよう
萌える緑の蠢く響きより心地好い
荒れ狂う海の砕ける潮より激しい
そんな光を
優しさの意味や
悲しみの昇華を
私たちは共有する
同じ時間を
同じ言葉を
同じ感情を
私たちは共有する
妖しく光るその時間を
すべての人に届けよう