詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
なにがあったか知らないが
死んだらアカンやろ
かくいう俺も何度も死にたいと思ったけど
生きてるので 生きられてるから言う
なんで死んだバカヤロー
子供 まだ小学生じゃないか
今年の夏 通りかかった川で仲良く息子と魚釣りしてた
でっかいナマズを笑顔で見せてくれた
子煩悩で毎年の夏 子供と水遊びに出かける姿をよく見かけた
なにがあったの?
少し前に電話をくれて 仕事の話だけで終わって
俺はなんのチカラにもなれなかった
また 不意に電話かかってくるんじゃないか とも考える
でも 君が死んだのは事実
もう 届かないのだろうけど
死んだらダメだったよ
生きててほしかった
君に言えなかった 伝えなきゃならなかったことが
まだ 多くて
悔やまれる
冥福を祈ることしかできないのが
やりきれない
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自分にある程度の自信もあるのに
周りが気になる
自分に大きな間違いがあるわけでも無いのに
不安だ
誰か こっち見てる
誰か 俺のこと話してる
誰か 俺を誰かと比べてる
不安だ 不安だ 不安だ
合わせなきゃ
周りに合わせなきゃ
合わせなきゃ
やられる
なんだ
この世の中は
わかりあえない人間同士の坩堝
平穏とか幸せは
何を乗り越えたら
自分のものになるんですか?
何もかもが疑わしく
何もかもに安心できない
選挙に行くのも
足が重い
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仕事の帰り間際のあなたからのLINEメッセージ
「アナタがいつか作って食べさせてくれたメニュー作ったよ」
そう 確かに俺が作りそうなメニュー
でも
俺は 一生懸命にそのメニューの材料と出来上がりを
どんなだったか 思い出そうとしていた
こんな 一生懸命思い出さないといけないほど
俺 そのメニュー作ったのかな
どうしても なんとなくの想像でしか出来上がりが思い浮かばず
帰宅して 食卓についた
目の前に出されて
材料も出来上がりも味も 想像通り
でも
俺 作ったことあったかな?
あなたに このメニュー食べさせてあげたの
俺でしたっけ
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なんか今年も「待ってました」とでも言いたげに
出勤 帰宅の運転中の車の少し開けた窓から
懐かしい風の匂い
この匂いを嗅ぐたび 幸せだった頃の記憶が蘇る
まるで 今 幸せじゃなさそうで
なんだ
こんな日は 仕事も私事も なにもかも
うまくいかない
読みたい本も用事も無いのに本屋で立ち読み
家に帰るのも
ダルい
帰らないわけにもいかず
帰宅までのわずかな時間の間だけ
思い出を頭のなか巡らす
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こんな時代だから
苦悩や苦痛を癒すアプリ
配信間近
無料のヤツは 取り放題で使い捨て
有料のヤツは 会員登録でVIP仕様
あー
あー 腹痛ェ
人間 アプリに頼りすぎ
頭の良い人たちよ
もうちょっとマシな時代に出来ないもんですかね
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最近 テレビでよく見かけるあの娘
アイツに似てんなぁ
笑い方 ガサツさ 笑い方 仕草 笑い方 笑い方 笑い方
クソ! なんでテレビに出てんだよ
いや アイツじゃないのに 失礼
クソ! 似てんじゃねーよ ああ失礼
なんだよ なんだよ
なんだよ 元気してんのかな
番号 知ってるけど しない
このテレビの娘 カワイイな
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厄介な社会だ
厄介な人間関係だ
頭痛
ク・ス・リ飲む
厄介な家庭だ
厄介な居住地域だ
頭痛 頭痛
ク・ス・リ飲む
ク・ス・リ飲む
厄介な仕事だ
厄介な世界だ
厄介だ 厄介だ 厄介だ
ク・ス・リ ク・ス・リ ク・ス・リ…
頭痛 頭痛 頭痛
ク・ス・リ ク・ス・リ ク・ス・リ…
頭痛 頭痛 頭痛
嗚呼
嗚呼
あ…
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そうだ
あの日
キチガイでいよう
そう心に決めたのに
常人を振る舞って
傷ついて
「痛い 痛い」と泣いて
本当は憎悪と怒りに震えているのに
何時 何処で見失った
さあ
もう
還ろうか
あの日に
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気持ちが落ち込むと
よく来る河辺りの橋の下
この季節だと雑草はきれいに刈られ
散歩をする人影もなく
寂しく
そして
寒い
軽トラのラジオの電源も切って
遠くから聞こえる電車の踏切の音
飼い犬の声
風は無い
仕事の忙しい時期を過ぎて
気がつくと
自分から離れてしまった事実を知る
過ぎた事
覆せない事
諦め
人は簡単に言う
簡単に出来るんならしてる
簡単に出来なきゃ
いけないんだろな
この河辺りで
こうして
過去に変える
此処はそういう作業の場所
あまり来たくは無いが
来なきゃ
前に進め無い
もう
暗闇に包まれて
「落ち着いたかい?」
暗闇に問われ
しばらく目を閉じ
軽トラのエンジンをかけて
ギアを前に
入れる