詩人:ジョーブ | [投票][得票][編集] |
幻想を生きてきた時は、なんにも心配はいらなかった
置き去(ざ)りしの本が棚にある様に、そこにちゃんとあるじゃないか
幻想に気付くのに、時間と通院とあの人が必要だったと、後(のち)に気付いた
置き去りし本をもう一度読んでみよう
風が吹き流れる時間がある中で、気付いた事は本当の夢だったんだなと、幻想がと
置き去りし本はテーブルの上で文字を消していって、開けば開くほど消えてゆく
夢は夢でもない。思い描く様な夢でもない、語られた声は目障(めざわ)りだった
ほら、やっぱりない。何もかもないような話の本だ
声がしたから、噂話(うわさばなし)とは違うけれど、世界が自分の頭の中にあった。本当に
窓から照らす光が本棚から私へと照らす時
あれもこれも幻想だったと気付き、そんな自分が今は病だと知り、一時(いっとき)病(や)んだ心だが
口が開いていて目を細めるだけだった
理解することができた。それは声がすることは病(やまい)であり、声は真実を語っていないとわかったからだ
私は静かにその本を閉じ、テーブルの上に置いたまま
通院した事がよかった。また、あの人に会えた事がよかった。ありがとう
右手の握りこぶしを胸にあて、貴女に祈った
そこには感謝があったからだ