詩人:EASY | [投票][編集] |
僕が君を見るとき
僕の思う君を見る
僕が苦しみを見るとき
僕の思う苦しみを見る
僕が幸せなとき
僕の思う幸せを見る
僕が僕を見るとき
僕の思う僕を見る
僕の見るものは
僕の思うことに
縛られている
でも僕は
縛られることは嫌いなので
思うことをやめた
それでも僕は
思ってしまうので
嫌うことをやめた
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僕がやって来て
君がやって来て
恋がやって来て
別れがやって来て
雨が降って来て
太陽がやって来て
猫がやって来て
夜がやって来て
朝がやって来て
空腹がやって来て
季節が巡り来て
涙がやって来て
笑いがやって来て
考えがやって来て
苦しみがやって来て
幸せがやって来て
すべて過ぎ去って
僕も過ぎ去った
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全ては思い込みである
と
言われたら
そうなのか!
と
僕たちは
また、思い込む
でも
自分自身の存在は思い込みだ
と
言われたら
もう
思い込めることはない
すべて
とは
自分自身であるからだ
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僕は
本当の君がみたい
欲まみれで
よく笑って
すごくズルくて
よく食べて
かなりはしゃいで
よく眠り
当たり前の顔をして
当たりのアイスの棒を持ち
僕なんかは、気にしない
どんな風かは知らないけれど
そのままの君がみたい
僕の方も
本当の僕で居てみるよ
君の理想じゃない僕と
僕の理想じゃない君で
はしゃぎ合えたら楽しそう
僕たちは
理想と出逢う訳じゃない
出逢うのはいつだって
僕と君だけなんだ
そして
愛することがあるのも
理想じゃなくて
紛れもなく僕たちだ
僕たちは
理想より遥かに美しいものを
既に手にしてる
それを忘れて何が愛?
そんなに
ロマンチックじゃないかも
でもね
たった1日だけだとしても
僕と君は
本当に出逢うべきなんだ
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あいつ
何考えてんだ?
僕たちは
口裏を合わせたかの様に
それを口にしては
常識では考えられないほどの
偏った常識を振りかざし
攻撃をする
だが
僕ら自身の防御力は
温めたミルクの表面に浮かぶ
膜にも満たないほどなのだ
互いの弱さを確かめ合うには
それで充分だ
そう、僕たちは
人の気持ちに寄り添えるほどの
強さを備えてはいないのだ
それは同時に
僕たちの弱さ故の美しさを
宣言する様な事でもある
だが、僕たちは
それすらも、口にしない
口裏は
ここでも、また
行われているのだ
僕たちは悪気があって
誰かを否定する訳じゃないし
僕たちは悪気があって
口裏を合わせる訳じゃない
でも
僕たちは悪気があっても
弱いから故の
美しさを放ってる
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もし君が
迷わず行くというのら
兆候としては良いものだ
もし君が
迷うことがあるのなら
前兆としては良いものだ
もし君が
悪いものと思うなら
それでも良いと思うのだ
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僕が宝くじを買う理由は
ほど遠くも儚きものだ
一等が当たった時に
どんなことを思うのかという
好奇心と呼ぶ為に必要なものを
ギリギリに満たした
その様なものだ
野球が嫌いなのに
壁にボールを当てて取る事しか
楽しみのない子供が
グローブを親にせがむのを
想像出来るなら
その様なものだ
僕は大抵
スケジュールの空いた休日の正午に
宝くじを買いに行く
信じられないほどの無気力と結託し
宝くじ売り場に向かうのだ
どうでもいいにも程がある程の
適当さを信条に
僕はナンバーをマークする
そして
下町の総決算
とでもいうような
おばさんとの接触を図る為に
その列に並ぶのだ
その列に並んでる間に
考えることは
その日の夕食のメニューである
気づかれない事が多いが
夕食を考える為に
最も適した環境は
宝くじ売り場の列なのだ
僕はそう思われる事を
望んでいるかの様な愛想笑いで
当たれば良い様な顔をして
その
遠くも儚きものに
酔いしれる
それに適した温度は
春か秋の真ん中辺りの
17度前後の昼下がりであるが
そんなことを予報する天気予報は
途方もない年月を経ても
放送されることはない
そして
信じられない程
無気力な僕が
ワイドショーを見ながら
みずほ銀行の場所をチェックするのは
どれ程までに
ほど遠くも儚きものか
想像すらも憚れるのだ
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僕は
一般的に言うような
人好きではない
大勢でいるのは
好きではないし
必要だからそうすることはあっても
その煩わしさは拭えない
でも一方では
どうしようもないほどに
人を愛しく思う
それは
強がるほどに
僕をそうさせる
格好つけてもみんな
お腹は空くし
どんなに気取っても
ため息はつく
普通に愛しい人達は
人の悪口は言っても
自分は良く思われたい
それは裏を返せば
本当は辛くても
そんなことしか口に出来ない
強がりにしか見えなくて
僕からすればそれは
愛くるしさの表現だ
あれ知ってる?
知ってる知ってる!
あれでしょ?
僕たちはいつも同意する
それに
乗り遅れてはならない
その焦りに対する
僕らが見せる微笑みは
それに対して行うものだ
子供の時に手放した
風船が飛んで行く空の
それを想像できるなら
その空と同じくらい
僕たちは広くって
その空と同じくらい
僕たちは愛しくて
その空と同じくらい
僕たちは切ない
でも
僕から見た君は
その空よりずっと愛しくて
その空よりずっと切なくて
その空よりずっと
愛くるしいものなんだ
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夢の中で夢だと気づくのは
どんな感じだろうか?
そして
夢の中の知らない人に
悩みを打ち明けられるのは
更にどんな感じだろうか?
取り合えず真剣に
話しは聞くが
どう答えたらよいのか?
答えるべきなのか?
そもそも聞くべきなのか?
それさえも
本当には
分からない
これは
答えを忘れた子供が出す
なぞなぞの問題の様なもので
その答えが大人たちにも
分かりそうで分からない
そんな時に浮かべ出す
表情にも似ている
夢の中で悩む知らない人達は
僕が作り出した人なのだ
文字通り僕が目覚めれば
夢は一切消えてしまう
僕からすれば
悩みを聞いている暇があるのなら
空を飛んでみる方が
いくらか価値がありそうだ
もし愛が
呼吸の様なものならば
「僕はもうすぐ夢から覚める
心配はいらないさ」
と
それくらいは
言えるかも知れない
でも
そうする為に費やすものは
感情とか努力じゃない
情熱ですらないもので
僕の知ってる溢れたものを
簡単に否定する
とても冷たい孤独である
だから僕は夢の中で
僕の夢の中で
この細やかな
儚さの中で
誰のせいにも出来ない
この僕の夢の中で
君を必要以上に
抱きしめてしまうんだ