詩人:詩奈 | [投票][編集] |
月と陽が空に昇る
この二つの光で照らせば
全てが見えるんじゃないかと思った
人物相関図の中
決してあぶれるわけにはいかない
独り嫌いの人間は
悪口を言い合いながらグループ行動するのが
好きらしい
口を揃えてあの子は嫌い
誰もが同じ格好で
作り物の優しさの交換
嘘と嘘がくっついて
誰が本当?
どれが本物?
月と陽が変わらず全てを照らすから
こんな時には何もかも見えるような気がした
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ふわふわ浮かぶ雲の中
公園で二人
緑の広がる空の下
点々と咲く白詰草
ねぇ知ってる?
この白い花ってヨーロッパの花なんだって!
自慢そうに話しながら彼女の目は
花の冠を作るのに夢中だ
静かで暖かな天気のいい午後
ずっと二人でこうしてられたらいいのに
溜め息がこぼれそうになったそこに
彼女は真っ白い冠をのせる
笑顔で持ち帰りたいと言うから
枯れてしまうとは言えなかった
朱くなった空に寂しさを感じながら
二人は手を繋ぎ帰る
しおれ始めた白詰草に
夕日の影の彼女は
まだ気づかない
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何か足りなくて
何か寂しくて
誰かの温もりを探す
理由なんか無いけど泣きたくて
泣けてきて
ただただ流れてくる何かを
遠くで見てた
探したって見付からない
掴んだって残らない
願ってもそれは無意味で
それでも確かに残る自分が欲しい
何処にいるんだろ
何処に行くんだろ
誰か教えて
誰か、、
聞こえる訳も無く
虚しく消えてった
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風に聞く明日
烏は全てを見下ろした
段々と近付く飛行機の音は
ボクを何処へ連れてくの
今日が明日に変わり
明日が今日になる
当たり前なその流れに
境界線を探す
机の上で開いたままのアルバム
ホコリが時の経過を指し
からすの鳴き声さえもが嘆いているように思う
あぁ今日のこのページもまたアルバムになり
いつかの未来の僕はまた、埃を被すんだろうか
進む時の中で進まない僕はもう
置いていかれそうだ
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ふとした瞬間
僕が溢れた
あふれそうになっていた
たくさんの色が
渦を巻き
一気に外へ出た
もういらない僕自身
それが前へ進む意味なら
耐えなくていい
溢れるままに
一つダメだったこと
それは明日に繋がるもの
捨てずにいよう
今日が明日に繋がるように
飾らずいよう
いつも素直な僕であるように
溢れた僕は
明日の僕の欠片
次に目を開ければ
明日までの道が陽に照らされて
そこを僕は走り抜けよう
今新しい自分で
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深呼吸もできないこんな街で
空をまた狭めた高層ビル
何かに急ぐ人の足
きっともう自分さえ見失って
けれど人は誰も気にしてなどくれない
幼い頃の夢
それが何かもわからず
何時の間に諦め
何時の間に挑戦を怖れるようになったのか
そんなこともわからないまま
幼い子の夢を
全てをわかっているかのように
いつかわかると見下して
消してゆく
建物に囲まれた此処じゃ
全てが影で
希望になる光なんて
ないんだ
国の真ん中
そこは
陽の当たらない影の世界
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コウモリが空の色を変えた
街灯が目立ち始める
桜色を無くした木に教わる、
一瞬だけの美しさ
夜へと進む世界に願いをかけるなら
闇を知らないままで
永遠の意味を知らずに永遠を信じた頃は
きっと今より
今を生きていたのだろう
変わらず咲き続ける花を
いつまでも美しいと思えたなら
それが求めてたものかもしれない
夜をさ迷う時
確かな証さえあれば
全てを美しいままで望んでいられる
そんな事を考え
歩きながら見上げた薄い空の奥
目がぼやけ一粒落ちたのは
確かな証
それこそが
いつまでも変わらない
永遠の証
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駆け抜けた風
あの頃の心地良い追い風も
今では鬱陶しく感じる程
変わり続ける日々に
"止まれ"の標識をかざす背後に
背負うものなど無い
置いてきたはずの君の笑った瞳が優しくて
涙しそうになったけど
まだ駄目だ
きっとまた弱い僕になってしまうから
この風をもう一度追い風と呼べた時
今度は高く高く"進め"の標識をかざし
もう一度君に
会いにいこう
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朝を呼ぶ鳥たちの声が
100メートル先の靄から響きわたる
信号さえ眠り
そこには穏やかな風が自由を叫ぶ
ゆっくりと円を描く桜の花片
夜の暗闇を耐えたカラフルなチューリップは
陽に当たりなんだか眩しい
海が光り
緑が笑う
空は全てを静かに見守る
この耳が鳥たちの声だけに支配された時
私はこの街に
愛なんか感じてしまった
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無いんだ 何も
無かったんだ 何も
声にならない叫びは
誰かが気づかないまま踏み潰したのさ
気に入らない今だから
どうせ明日もって
始まらない内に諦めてるんだ
さよならしたはずの過去に未だ未練たらたらで
もう思い出すことすら難しくなってきたのに
無いんだ 心が
感じるって何だろ
考えるってどうするの
夢ってどうやってつくるの
笑うことも
泣くことも
簡単なことだ
偽る日常
偽らずに生きる方法を
大人は知ってるの
テレビで人に意見するあの人は
そんなに偉いの
何が大事ですか
何を守ればいいですか
もう
何も無くて
無くなってて
本当に在ったのかも
わからないんだ