詩人:詩奈 | [投票][編集] |
届けたくて
応えてほしくて
大きな声で叫んだよ
青空に似合わない
満月ではない月が
少しづつ薄くなる
求めただけ
遠くなる気がした
頑張っただけ
後がこわい気がした
気持ちだけで動いていた頃を
懐かしくたどるのは
今は変わってしまった自分だから
希望で頬も染まり走り回った頃を
寂しく思い出すのは
もう戻れない薄れゆく記憶だから
だから少しでも
今に
届けたくて
応えてほしくて
大きな声で叫ぶよ
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ちっとも歩いてないのに
世界一周でもしたつもりで
進んだ気だけ空回り
むなしさと共に涙して
足取り重いでこぼこ道
手には荷物が多すぎて
もう持ちきれない
戸惑うのは優しさが嫌いだから
もがくのは優しさが欲しいから
ただ一人の優しさが欲しいから
そういつも
人影におびえながら
人影を求めてる
そういつも
淋しさの果てにいるのは
あなただけ
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名誉のために
実績のために
知らないふりをするの?
助けられるはずの人を何人犠牲にするの?
すごい速さで走る自動車と
空が埋まるほどに高いビル
夜でも明るくにぎやかな街と
道に捨てられたゴミ
そんなのも理由にして
すべて見捨ててしまうの?
たくさんの人の心より
自分を守るなんて
この世界は
めちゃくちゃだね
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翼のない鳥を見ました
根っこのない花を見ました
夢のない僕を見ました
正解はなくて
だけど間違いもなかった
それでも残る確かな重み
無意味かどうか試してみてよ
じたばた動いたそれはやがてジシンになったかな
力無く嘆いたそれはどっかで響いたかな
忘れた落し物になんか気をとられないから
なくした宝物なんか気にしないから
消さないで
画用紙の真ん中
クレヨンで描いた
消えないメッセージ
翼のない鳥は飛び
根っこのない花は咲き
夢のない僕は走っていました
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真っ直ぐに手をあげ
大きな声で
僕は弱いです
そう言えたらどんなに楽だろう
そう考えてベッドに潜り込む僕は
一番の弱虫
光のまぶしさは苦しくて
その強さに嫉妬してる
暗闇は先を見れば見るほどこわくて
味わう孤独におびえた
居場所に憧れ
新聞紙から文字をうまく切り取って
僕に張り付けた
捨てたはずの小箱が気になって
探し回ったら
そんなものなかったって
あるのははち切れそうなゴミ袋だけ
涙だけが悲しく流れた
だから自分を小さく細く慰めた
明日また探そう
捨てた小箱はいつかまた
探し物を探しに行くんです
真っ直ぐに手をあげて
大きな声で
探してきます
そう言ったのは弱虫の僕だつた
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朝窓からの陽がまぶしくて
外に出たらお日様の冬の懐かしいぽかぽかした光
小さな子が公園で鬼ごっこ
昔の自分と重ねてみたり…
スーパーの店員さんいつもご苦労様とか
夜になれば
木がやけに寒そうで
空にも冬の知らせ
小さい頃宿題で観察したっけ
オリオン座
懐かしかったり
ちょっと嬉しかったり
少し楽しかったり
これが幸せ
ささやかな幸せ
特別何かあるわけじゃないけれど
こんな毎日もいいななんて
気づいたの
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毎日同じ朝
毎日違う事件を世間は叫ぶ
信号無視の自転車に
爆音を広めるスポーツカー
不機嫌に走るバスには
サラリーマンのしかめっつらが並ぶ
駅は無表情で
決まっている時に支配される
きっとみんな
完璧な計算で作り上げられた人間関係に
そろそろ疲れ始めてる
壊れかけた未来に
そろそろ気づき始めてる
忘れさられた
もう捨てられたものたちが
泣いていた
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明るい声が響き
そこで走る人がいて
こんな風に
窓から外をのぞいている人がいたりして
あぁこれって青春っぽいななんてカッコつけてみたり
気付くともう空は
紅く染まりだしてて
鳥も群れなんかつくって
なんだかのんびり飛んでて
今日も同じって
飽々しながら
昨日とは違う時を刻むんだ
外に出てみても
空には見飽きることなんてなくて
だって
一瞬だって同じときがないから
キレイだなって思っても
人は何に疲れてるのか
下ばかり見つめてる
真否もわからない情報に振り回されてさ
あぁ何のために生きてるんだろ
とか大きなテーマ持ち出して 首傾げても
正解がでるはずもなくて
そういう事考える時期よね
なんて笑われては
苛立ちを覚え
結局わかんないままなのかも
って1人で納得してみたり…
とにかく哲学者気分なんです
とにかくまだ…そんな子供なんです
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希望を抱いてた未来なのに
見てみたら随分期待はずれ
便利になったら
僕等忘れ物だらけさ
そんな事を呟きながら
また今日も無表情の満員電車へ
かけこむんだ
また今日も時計に支配された1日が
始まったんだ
まさに孤独
テレビが笑う
僕も笑う
鏡よ 鏡
僕はちゃんと笑えてるかい?
青空夢見て見上げたのに
見てみたら随分期待はずれ
電線だらけでせっかくの空が
台無しさ
そんなことを嘆きながら
また今日も作り物の話と笑顔を
振りまくんだ
また今日も電波に頼った1日が始まったんだ
まさに偽造
携帯が鳴る
君は取る
鏡よ 鏡
君は満足な顔してるかい?
まさに孤独
まさに偽造
君は
僕は
このままでいいのかい?
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物足りなさと
切なさと
懐かしさと
少しの風で舞い上がった落ち葉のような
そんな一瞬の感情を
どこにはき出そうか
きっとこの気持ちは
言葉にするほど大きなことではなく
心に留めておくほど些細なことではなく
もどかしい気持ちが
冬の風に吹かれたら
この冷たい風と共に飛ばしてしまおうと
足跡など残せない冷えたコンクリートを
歩きながら
考えた
凍えた細い枝の先
たった一人残されて
風が吹く度
揺らされて
もう…限界?