水面を閉ざす

空雲の月

空に写す月

歪んで落ちて

たった

ひととき

水面を照らす

ひとすじの光…
…こぼれ落ちて

移り変わる空を

何処にも行かずに

…見上げて…

空は流れて

僕も流れて

…また何処かで…

もう見上げてもいない

君に願うよ

この場所には

見上げても

何もない

空から見下ろしても

なにも無い



ただ僕を…
…写すばかりで

赤き月

夜空に浮かべて

…うさぎさん…

水溜まり

ひとつひとつ

空に上がれと

…しくしくと赤い月…

ぽつんとひとつ

転がして

ぽつんとひとつ

おいてけぼり

空を見上げては

ため息ひとつ

胸に

…ひそめて…

出来なくなって

しないと決めて

ただ眺めては

眺めて


今はまだ


出来ないと知っていて

落ちる蝶々に…
…目を覚ます

どんなに頑張っても

出来るって

思えなくて


水面に写る

影をなぞっては

おちついて


…空と雲の影を
追っかけて…

笑っています



水面の上で

雨のひとつ

ひとつ

水面に映しては

水面を揺らして


それだけが変化で


どうしてもどうして


何も変わらない


映す景色は

変わって行くけど

ベンチでぽとりと

川の角でこっそりと

ビルの隙間でひっそりと


佇む僕の

なんたる滑稽な事か



ここだけに皆います

浅いと見えちゃう

深いと不安で

光さえ無ければ

真っ暗で

どうしたらいいのかな


…笑ってくれますか？…