ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 手毬唄

千波 一也の部屋


[591] 手毬唄
詩人:千波 一也 [投票][編集]


お嬢の小唄を

宙に放れば

おてんと様が照らしてくれる


小僧の小唄を

地に撞けば

根っこの隅々しらべてくれる



手毬唄、ひとつ

この手に優しい中身かどうか

優しくこの手に帰るかどうか



婦人の小唄を

宙に放れば

そよそよ風がゆすってくれる



御仁の小唄を

地に撞けば

石ころたちがためしてくれる



手毬唄、ひとつ

この手に優しい中身かどうか

優しくこの手に帰るかどうか




唄は たのしや 

唄は ゆかしや

こころという名のまろやかな型

愛でるべき縁の 

もたらす土産



あしたの唄を楽しみに待ちつつ

手毬唄、ひとつ


手毬唄、ひとつ


2006/09/09 (Sat)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -