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千波 一也の部屋


[617] 銀河鉄道
詩人:千波 一也 [投票][編集]


各駅停車の鉄道がはたらいている


ひとの数だけ

想いの数だけ

星空のなかで

各駅停車の鉄道がはたらいている



天文学には詳しくない僕たちだけれど

きれいだね

しあわせだね

このままでいたいね

語りは一言でいいのだと思う



流れ星がひとつ、いった


あれは命の燃え尽きる光

そのさまを見届ける者は果たして幾つ在るのだろう

或いは

誰にも気付かれることなく

ただ確実に

満天の星空はカタリ、とまわる



涼しく夜風が吹いたなら

それは

鉄道列車が走り出す合図

無限の時の端っこを

今ここにしっかりと繋ぎとめて

つぎの光を追いに発つ

その汽笛



往こう

透明な乗車券は

手のひらの温度に溶けやすくて

心もとないかも知れないけれど

たやすくは見えないことが

僕たちの美しいさだめ

時刻表のなかには蕾が溢れている

咲き誇る色合いは見えなくても

予感が香る

語りはまだまだ往ける

ほら、微笑んで



満天の星空はカタリ、とまわる


瞬きをしよう

ゆっくり

カタリ





2006/09/09 (Sat)

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