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千波 一也の部屋


[630] 花を見つめて
詩人:千波 一也 [投票][編集]


なんにも無いところから

花が咲くわけなどないのに

私の目はいつも

開いた色しか見ていない

綺麗な色しか見ていない



いつのまに咲いたのか

どうやって咲いたのか

質問したなら

どこまで教えてくれるだろう

何が栄養だったのか

何が必要だったのか

質問したなら

どこまで教えてくれるだろう



痛みはそれほど

痛みではないかも知れない

苦しみはさほど

迫るものではないかも知れない

いつも

私の意識のそとで

花が咲くように



日々の喜びは

蓄積されてゆくのかも知れない

日々の温かさは

蓄積されてゆくのかも知れない

一年の後にふたたび

花が咲くように



命のうえに咲き誇る

花を見つめて

私の頬にはくれないの色



2006/09/09 (Sat)

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