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千波 一也の部屋


[815] 未完成
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


祝福のことばには

飾りたがりの

性分があり


僕はまだ

あこがれの盛り



 あなたの階段が

 あたらしくなった日も


 僕は

 初夏の匂いだっただろう


 あいもかわらず

 まぶしさに

 目を細め




あふれてゆく風の素顔について

何ひとつ詳しくなれず、

それゆえひとは

独りなのだろう


ひとを

ひととして

語り継ぎながら

美しさに染まる途中、をながく


ひとは

独りなのだろう




 始まっているあなた、と

 終わらない僕、と

 つまり、未来



 たとえわずかでも

 軌道の重なりを憶えたら

 すぐにも窓は

 晴れ渡る
 

 忘れたり

 追いかけたり

 ときには聞こえたり




完成された季節の

果実だ、

誰も



不揃いを味方に

しあわせになろう


順番に


2007/07/01 (Sun)

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