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大示の部屋  〜 投稿順表示 〜


[251] 願い叶える石
詩人:大示 [投票][編集]


私は過去に一輪の花を見た

人工的なそれは私によく似ていた


砂漠に咲く花デザートローズ

形は薔薇に似ているけれど
花では無い

私も誰かに同じように
言われているのかも知れない

人の形をしているけれど
人では無い、と


デザートローズに
香りがないように

私には心が無いのかもしれない


私は本当に私?

疑問が付きまとうけれど
この存在を喜んでくれる人が
一人でもいるのなら

私が何者だってかまわない
あなただって
きっとそう思うはず

砂漠の花




ねぇ、私もあなたもあまりに脆い

何があれば強くなれるのだろう

いつかこの虚ろな心が満たされる

その日が来るまで


願い叶える石・デザートローズよ
私と共にいてください


2009/07/13 (Mon)

[252] いつ
詩人:大示 [投票][編集]


いつの頃だろうか

みんなに平等に訪れるものは
この世を去る時が来るという
事実だけだ、と知ったのは

いつの頃からだろうか

その事実が重すぎて
周りに在るものがガラクタと
感じるようになってしまったのは


いつか、いつか、

必ずその日が来るのなら
大切なものは、ほんの少しでいい

かけがえの無い何かを

燃え尽きてしまわない、何かを

持って行けますように

2009/07/29 (Wed)

[253] 精神の子
詩人:大示 [投票][編集]


もう一度
私の元へ、産まれておいで


早すぎる旅立ちを嘆きだけで
見送りたくないの


願い、祈りよ
どうかあの子に届いて

私の元へ、迷わぬように

愛しく暖かい胎動が
私の中に宿りますように


もう一度
私の元へ、産まれておいで

今度こそは

あなたの目に沢山の美しい景色がうつりますように


あなたに沢山の愛情を
与えることができますように


2009/07/29 (Wed)

[254] 小さな不審火
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あんなに水をあげて
育ててきた花が

ほんの小さな火によって灰になる


信頼は、すぐ手に入らない

しかし、失うのは一瞬


一つの言葉

一つの行動

それらが火種となるだろう

2009/07/31 (Fri)

[255] 当たり前という名の幸せ
詩人:大示 [投票][編集]


時々、思い出すよ

朝焼けの中の
まるで影絵の様に真っ黒な君を

きれいな、その世界を



ねぇ、その世界では肌の色なんて

気にならないんだよ


きれいな朝焼けの中で

感動して、笑って

そこには遠い日の人間がいたよ


君は今、感動していますか
どんなに小さな幸せにも
笑顔で応えていますか


2009/07/31 (Fri)

[256] 遠い、小さな私へ
詩人:大示 [投票][編集]


『私』という存在は

今の私が終わり

そして、また
『誰か』として始まる時にも

感じられるのでしょうか

それは、この国で?

それとも、どこか遠い別の国?


此処とは違う

この世界のどこかで

また生きて行くのでしょう

数十年後の小さな『私』は
幸せですか

今、あなたに成るために

私は生きています


2009/09/03 (Thu)

[257] 埋もれた僕
詩人:大示 [投票][編集]


僕は、どこ


規則

道徳

時間

嘲笑

焦燥

失望


深く潜っても、見つからない

たくさんの下敷きになって

一番下の僕は

原形をとどめているのだろうか


そもそも、元の形なんて
あったのだろうか

2009/09/14 (Mon)

[258] 真夜中
詩人:大示 [投票][編集]


静かな夜に

壊れた時計
曲がった針を逆回し


今日 昨日 数日 数年前

私の生まれたその時の
その瞬間

過去は道を塞いで
声を張り上げる


引き返しなさい


充分に生きなさい


地を這ってでも

生きなさい、と



夢が途切れる前のあの声は

うろ覚えの、あの人だった


壊れた時計は、もう要らない



2009/09/15 (Tue)

[259] 欲求
詩人:大示 [投票][編集]


魚には虫を

花には水を

人には・・・・

僕には・・・・

結局、何が欲しいのだろう

心が欲を呼ぶのなら

欲が悪夢を生み出すのなら

『壊れてしまえ』


僕より先に呟いたのは

道端に忘れられた

小さな人形


その声はうつろに

それでも確かに

僕のガラクタの心に突き刺さった


何も欲しがれない人形

唐突に造り出されて



忘れられて


2009/09/16 (Wed)

[260] 
詩人:大示 [投票][編集]


大きな建造物の群れ

その下には

たくさんの自然の屍


抉られ

埋められ

切り刻まれて


だから

『災害が起きません様に』

なんて


僕は絶対に願わない


そう、絶対に


2009/09/16 (Wed)
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