ホーム > 詩人の部屋 > 大示の部屋 > 投稿順表示

大示の部屋  〜 投稿順表示 〜


[191] 盾と壁と私と、あなた
詩人:大示 [投票][編集]


私の盾は難解な障壁となって
立ち塞がった

すべての疎ましさを寄せ付けない
私の盾は、彼の人の前で鋼の壁となった

私を呼ぶ声すら遮断し、響くのは
分厚い鋼を叩く音だけ


不幸を防ぐ壁は幸運も通さない

崩すのは私なのか
物好きな、あなたなのか


その答えすら見出だせず
今宵も膝を抱く

2009/03/01 (Sun)

[192] 
詩人:大示 [投票][編集]


夢を追い求めるが、どれも違うと

拒絶反応が出る

『そんなことを今更やるのか』
『他にやることがあるだろう』と

何かが囁く


生きていく上で自分を支える夢は
未だに見つからない


夢は無限に

だが自身の力は限られて



夢が理想なのか

理想が夢なのか


見つめれば
別の答えがあるだろうか


それまでは終われない

私は一歩も動けていないのだから

2009/03/01 (Sun)

[193] 自由
詩人:大示 [投票][編集]


常識に縛られない

何一つ持たない

拘りを捨てる


それに拘らなくなった時に
それは手に入る



どれほど自由でいたいと
主張しても

何かに執着しているのなら
他人にとってそれは『自分勝手』


全てを捨てきれた者こそが
得られる楽園


2009/03/02 (Mon)

[194] 裏表
詩人:大示 [投票][編集]


間違いだらけの世界に
流されていると

何がおかしいのか麻痺してしまう

闇に夜は映えなくて


正解だらけの世界でも
浸っていると

何が正しいのか麻痺してしまう

光に太陽は意味無くて


刺激を求めるのは麻痺のせい?

紙一重の常識はいつか破られて

異なる常識に乗っ取られる

とても不安定な表裏一体は
僕の影に潜んでいる


2009/03/02 (Mon)

[195] 最後まで、組み立てて。
詩人:大示 [投票][編集]


疲れた私は地面に崩れ落ちた

私の破片を拾い上げ、あなたは
組み立てようと必死で

どうしたって完璧には
戻らないのに

あなたは諦めないの
私自身、とっくに諦めてしまった
この私を

顔が、あなたの手によって
再生された頃

あなたの大きな両手の中で
最初に目にしたのは
夕闇を背負ったあなた

空が重くないの?

いつ放り出されてもおかしくない

それほどにまでバラバラな私を

空を背負いながらあなたは

私を再生してくれる


この感情、なんていうんだっけ

全部治ったら、思い出すかしら



2009/03/03 (Tue)

[196] 涙=悲しみではない
詩人:大示 [投票][編集]


深い森の中
笑うこと無い無機質な命は

小さき者に心を与えられ
笑うことを知った


やがて時が過ぎ彼に蔦が絡まる頃

心を与えてくれた若者が
子供を連れて会いに来た

小さき者は若者の腕の中で
泣いていた


彼は、泣くことを学んだ


しかし、涙は流れない


何年も過ぎ、誰もが忘れた
深い森の奥

何度も涙を流そうと試みた
旧世のロボットは

オイルを流しきり、機能を停止させたのだった



『悲しみは理解できたのかい?』

年老いた若者は物言わぬ友に寂しげに呟いた

2009/03/03 (Tue)

[197] 風に撒く星
詩人:大示 [投票][編集]


小さな星を一つずつ取り出すように

息を潜めて、君の傍に佇む

ふと、息が触れれば
崩れそうな君に

僕は何をしてあげられる?

星砂を風に撒けば、数多の流れ星

空に還り
願いを叶える希望となれ

この頼り無い僕をも

どうか支えておくれ


2009/03/04 (Wed)

[198] メガロペイン・ナイト
詩人:大示 [投票][編集]


途方もない夜に閉じ込めた

魔妖しの僕を

君は何故、今更喚ぶの?

痛みに身を焼きながら忘れ去った
古より遠い過去を

『もう一度』

望むのなら舞い上がり
君に贈ろう


わかっていたはずなのに
苦しむのは何故


届かない現実を願っては
否定する繰り返し

もうそろそろ輪廻に別れを告げて



僕は遠い夜より遠くへ

君の檻より頑丈な、最果てへ

狂わないように

嘆かないように
永遠に遠ざかろう

身に覚えの無い大きな痛みで
うずくまる夜が来ないように

『もう二度と』

2009/03/05 (Thu)

[199] 幻の世界に歪な心
詩人:大示 [投票][編集]


繰り返す命の始まりと終わりに

どれ程の歓びと嘆きが
在ったのだろう

少し立ち止まれば思い出せるのに

走り去る時間が
とどまることを許さない



醜く歪んだ現実を
導くものが直視しないのならば

誰が、変えていくの


必要なものもわからず満たされず
さ迷う人々が行き着く場所は
現実と離れた虚ろな世界

定められた終わりは何度も現れ、去っていく


どこにもない世界に捕われた心は狂ったことにも
気付かないまま


偽りの誕生と終わりを
再生し続ける

2009/03/06 (Fri)

[200] その時に
詩人:大示 [投票][編集]


永い夜でもないのに
瞳を閉じる時が来る


その時の片隅に思い出そう
どんなことにも
本当の終わりは無い

誰かが呟いていたのを


その言葉に偽りがないのなら
私と似た心に触れた時
ほんの少しだけ懐かしんで
『忘れないで』なんて
きっと言えないと思うから


もし『切ない』と
泣いてくれるのなら

あなたを、見つめて

その中にきっと
私が在るから


2009/03/06 (Fri)
403件中 (191-200) [ << 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 >> ... 41
- 詩人の部屋 -