詩人:大示 | [投票][編集] |
おうちへ帰ろう
赤く燃える夕焼けに
全部呑み込まれるまえに
おうちへ帰ろう
見馴れた公園が
知らない場所になるまえに
おうちへ帰ろう
小さな子猫が
とぼとぼ、ついてくるまえに
一緒に帰ろう
僕の他には誰もいないけれど
一緒に眠ろう
寒い寂しい世界で凍えないように
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独りの世界で
生きる意味を探しにいったまま
帰って来ない
鏡の国を覗いた君
閉じ込められて、ずっとそのまま
君に似た、たくさんの民
万華鏡の花が咲き誇る
間違いだなんて思わない
触れないなんて気づかない
君が作り出した世界に
友も
僕も
父母さえも入れない
君が作り出した世界なのに
君自身が冷めた目で見ている
そんなに気に入らないなら
帰っておいで
少しでも物足りないと思うのなら
帰っておいで
君のために帰っておいで
詩人:大示 | [投票][編集] |
手探りの道と
最初から決められている道
確かなのは
『きっと、どちらも楽ではない』
たった、それだけ
どうせ楽でないのなら
一本、作ってみよう
足跡の無い道を
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旅の途中、夢探し
疑心暗鬼を住み着かせ
人を見る眼は疑り深く
邪魔はするなと
言の刃をばら蒔いて
歩きづらい、この道を
更に酷く荒れさせた
君が望んだ、その夢は
更に向こうに遠ざかる
詩人:大示 | [投票][編集] |
誰の為の私?
つまらない言葉に踊らされ
誰の為のあなた?
同じ髪型、 同じ服
誰の為の世界?
心無い争い、騙し合い
私は今、私ですか?
あなたは今、あなたですか?
この世界は
誰が望んだ世界ですか?
詩人:大示 | [投票][編集] |
いつも、そう
黒く歪んだ思想に浸りきった後は
たくさんの言い訳を飲み込んで
人知れず誰かに赦しをこう
いったん沈んでしまった
どっち付かずの心は脆いけれど
あなたの暖かい声を聞く度
僕の心は定まる
冷たい夜に灯る家の明かりの様な
ジワリとする響きに
いつでも人に戻れるよ
懺悔と救いの間を
幾度、さ迷うのだろう
それでも
迷うのは決して無駄ではないと
僕は信じたい
詩人:大示 | [投票][編集] |
君の心の奥で生きているあの人は
どんな姿をしていますか
僕の心に眠っているあの人は
いつも怒っているよ
いろんな顔をしていた筈なのに
思い出すのは、いつも同じ顔
少し語ってください
君の中にいる、あの人の顔も
僕は知りたいから
星空を旅するあなたよ
愚かだと思いますか?
いろんな人の中にいるあなたを
思い出の欠片を
大きなパズルの欠片の様に
かき集め
あなたを組み立てようとしている
完成したあなたは
本当のあなたには成らない
それでも「忘れたくない」
この個人的な我が儘が
僕を突き動かしている
我が儘ついでに、もう一つ
願わくは
パズルのあなたが
笑っていてくれますように
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祈りが呪いになる
それは本当に一瞬の出来事で
気づけば
自分も他人ものみ込まれている
呪いが祈りに戻る
それは本当に気の長い話で
気づけば
誰もいない場所に一人佇んでいる
呪いは集い
いつか誰かを傷つける
祈りは孤独で
他の誰にも分からない
私のこの心が
いつか誰かの目に止まるならば
孤独で在りたい
もちろん祈りの為に
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あまりに高すぎて見えない
あまりに遠すぎて見えない
あまりに近づきすぎて見えない
目標
夢
心
「君が望むものは彼処にあるよ」
そんなふうに教えてくれるのは
好きな人だったり
大嫌いな人だったり
独りきりではヒントすら
見付からないのかも知れないね
だから今日も出会うんだ
大嫌いな、あの人に
詩人:大示 | [投票][編集] |
愛だとか恋だとか
本当は
知らない方が良いのかもしれない
知ったと同時に
いつか失う日が来ることも
知らなければならない
「失う苦しみが人を強くする」
そんな使い古しの綺麗事が
万人に通用する証が何処にある?
かといって
かといって独りで生きられるほど
僕は器用じゃなくて
あぁ、
今ならサンドイッチの具になれる
・・・気がする