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大示の部屋  〜 投稿順表示 〜


[291] 
詩人:大示 [投票][編集]


件が告げた、あの日を迎え

それでも生き延びた


その時の、空白感とは?

その後の、哀しみとは?


所詮は解りはしないのだ

当事者ではない僕らは

その時にならないと
気付かないのだ



せっかくの悪策も

せっかくの美貌も

せっかくの権力も金も

全てが虚しいものだったのだ

という事を




2009/12/11 (Fri)

[292] 哀しみは、もう充分
詩人:大示 [投票][編集]


笑顔でテレビにうつってる
百歳の男


悪い事して無表情でテレビに
うつってる若い男


この差は何だってンだ?


人の価値、生き物の価値は
おんなじハズなのに


どこで文句を言われた?
人の命にケチつけた奴は誰だ?


どこで間違えた?

どこにしたって
踏み外したんじゃあない

間違えただけなら
道は、まだ在ったろうに!


だけど、さ


命を育てる奴らが間違ってたら
どうすりゃあいい?

途中でしくじりに気づいて
変わるにしても
なんにしたって手本が要るンだ

手元にあるのかい?

人らしい良い手本が?


2009/12/16 (Wed)

[293] 堅物進化
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どうせ見えなくなるのなら
義眼では無く

眼前の人が魔物か否か
見極める事ができるモノが欲しい

どうせ動かなくなるのなら
管に繋がれ閉じ込められる前に

作り直し可能な体が欲しい


なぜ人は進化しないのだろう?

皮膚が破れ血が流れるなら
恐ろしく固い皮膚を

新しい病に怯えるなら

もういっそのこと空っぽでいい


人が儚い存在であることは
そんなに必要なことだろうか?


2009/12/20 (Sun)

[294] 
詩人:大示 [投票][編集]


創ったり

破壊したり、の繰り返し


マンネリだの、退屈だのは
もう疾うに時の彼方

あぁ、
また私を呼ぶ声がする

呼ばれているからといって
何をするでも無いんですがね

必要とされている限りは
存在しなければならないこの苦痛

え?草臥れた主婦?

いえいえ、違います

私は・・・

はて、何者でしたかな


2009/12/20 (Sun)

[295] 努力を引き摺る
詩人:大示 [投票][編集]


努力をしたくないが為に
終わりを求める


そうかもしれないし

違うかもしれない



全てが無駄だ

そんな想いに支配されたのは

どんな生き物にも終わりがある

それを学んだ時だった


終わった時に何もかもが
色褪せる

匂いも

声も

色も


心配しないで
素晴らしい生き方をすれば
多くの人に語り継がれるでしょう


なんて真しやかに


努力をしないサギが
何処か近くで鳴いている


それを捕まえ羽をむしって
僕は食べた


今夜は、努力をしてしまった

生きるための努力を


それすらできなくなれば

その辺の根っこや雑草でも
食べるだろう

努力をしない、できない代償は

そんなものでもいいのだろうか?


2009/12/22 (Tue)

[296] 数十年後のあなたへ
詩人:大示 [投票][編集]


眼を閉じて、また開けたときに

いつも血の繋がった人達がいる

それは、僕にとっては
とても幸せなこと


いつか彼らはいなくなる

当たり前の事なのにそれを思うと
体が焼き切れそうになる


『彼らと一緒にいる』

想像力の乏しい僕が考える
唯一の幸せ


永遠ではない、幸せ


だから、今は干渉しないで下さい

あと数十年ぐらい待ってください

あなたにとっても

僕にとっても
大事なことなのです


彼らの命があるかぎり
僕はここにいるでしょう

温かく、しかしどこか薄情な
この家に


2009/12/23 (Wed)

[297] パンドラ
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彼は純粋だった

そして孤独だった


自分を知るために手に入れた
たくさんの鍵

独りきりの部屋に並べた


あれでもない

これでもない

あれも違う

これも違う

結局

残ったのは、ただ一つの箱だった

探し求めた
自分の真実が眠っている箱だった

しかし
決して開けてはならない箱だった


彼は純粋だった


彼は孤独だった


彼は自分を知りたかった


ただ、それだけだった


2009/12/24 (Thu)

[298] 再生
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潰れたペットボトル

そのままにしておくと
少しずつ元に戻っていく


僕たちも同じだろうか

打ちのめされても

潰されても

暖かい太陽に顔を向けて
深呼吸をすれば

また立ち上がれるだろうか

思いきって
フタは捨ててしまおう

もちろん
誰の迷惑にもならないように



2009/12/25 (Fri)

[299] 君だけのサンタクロース
詩人:大示 [投票][編集]


のんびり屋のサンタクロース

くたくたのサンタクロースに
頼まれて

プレゼントをもらえなかった
独りぼっちの子のもとへ

涙の跡が残る頬を撫でて

『遅れて、悪かったね』

静かに優しく囁いた


2009/12/25 (Fri)

[300] 懺悔
詩人:大示 [投票][編集]


いつも独りでいるあなたを

恐れていました


他の人達と同じ様に

外側だけを見ていました


ひたすら怖がっていただけでした


独りきりが嫌なのは
私も、よくわかっていた筈なのに

今まで
知ろうともしなかった私を

どうか許して下さい


これからは言葉をのみ込まないで

どんな形でもいいから
想いを伝えて下さい



無駄なことだと諦めないで下さい


独りで遠くへ行かないで下さい


2009/12/26 (Sat)
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