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大示の部屋  〜 新着順表示 〜


[183] 灯火
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暗闇は勝手に忍び込むのに

光は此方から探さなければ
手に入らない

また、その光が
蝋燭の灯り規模ときた

風が吹いたら一筋の煙を残し
消えそうなそれは

手にすれば
ゆっくりと歩かなければならない


ある賢者は旅人に諭した


その光は良心だ
周りに合わせ歩を速めれば
瞬く間に漆黒の世界に
浸食されるだろう


ともに歩む友人を探しなさい
なに、すぐ解る

迷いながらおぼつかない足取りで
歩いている者が蝋燭を持っている

たくさんの蝋燭は
聖火をも凌ぐ輝きとなるだろう


灯火を消してしまった者も
いずれ気付き、聖火を抱くのだ


2009/02/03 (Tue)

[182] 揺れる蜘蛛の糸
詩人:大示 [投票][編集]


ゆらゆらと、ぶれる糸を渡る僕に

ギラつく眼差しを向ける黒い塊

阿鼻叫喚の谷底ではなく、

美しい天国の様な其所は
僕を見上げてくる穢れた怪物を
浮き彫りにさせる

アレが在る処が地獄さながらの
おぞましい景観ならば
迷いはしない

ワザとらしい
現実味の無い美しさは
僕の足元をぐらつかせるのに
充分だった

今にも飛び掛かってきそうなアレ

向こうに着くまで
あと、何年


2009/02/02 (Mon)

[181] レストランの皿
詩人:大示 [投票][編集]


空っぽの皿を眺めて

私に必要なものは、と問うた

造られた心取り出して
工具で直せたら

意味の無い無駄な時間を
取り戻せたら


皿にのせられたネジだらけの心

タイムリミットが近づく

美味くはないが・・・
ナイフとフォークがここにある

まだ柔らかい部分が残っている

食べてみるか


拒絶反応で手がカタカタ笑うけど

涙が良い味付けで

思ったよりも美味かった


皿の上にのった心の残骸を眺めて

それの不必要性を確認した

2009/02/02 (Mon)

[180] 紅い花
詩人:大示 [投票][編集]


瓦礫に埋もれた紅い花
モノトーンの中の幻想

渇ききった喉にしがみついた
始まりの声がもがいている

ざわめく魄を押さえつけて
僕は虚都市に吼えた



己など既に無い

未知の力を備えているなら
細胞達よ、全てを忘れさせてくれ


愛しさも憎しみも
あなた一人が教えてくれた

穴の空いた僕の心でも君の想いは

堕ちず、手のひらの下に



黒く燃える魂を押しこんで
僕は荒野に吼えた

2009/02/01 (Sun)

[179] 寝る子
詩人:大示 [投票][編集]


柔らかい体寄せて

疑いの無い瞳で見上げる


その瞳に泣きたくなるのは
何故だろう


膝の上で丸くなって

眼を細めて小さな額押し付けた


その仕草に暖かくなる心

何故だろう



何にも信じられなくなった私を
君は簡単に信じてるの

甘えてじゃれて、膝の上で眠る

信じてもいいよ、君のこと

私を信じてくれているのが
わかるから


幸せそうな寝顔に

信頼が見えたから


2009/01/29 (Thu)

[178] 求める
詩人:大示 [投票][編集]


諦めてどうするの

こんなに生きようとしてるのに

僕の中で何度もリピートした言葉

今さら聞きたくもない

これから先の苦しさも
独りでは背負えない

信頼なんて何処にあるの?

大丈夫なんて魔法はいつ効くの?

半分もない覚悟で近寄らないで

『助けて』と叫べば

あの人は来てくれるだろうか

『辛い』と哭けば

遠い誰かに届くだろうか



『甘ったれ』なのは解っている

それでも
救いを求めずにはいられない僕は

もう限界越えている

2009/01/29 (Thu)

[177] 永遠なんて嘘。
詩人:大示 [投票][編集]


何にも一生懸命になれないから
挫折などしらない

何にも一生懸命になれないから
苦い後悔ばかりで

地図にすら書かれていないい
僕の居場所は

この星の上にあるのだろうか


歪みを正さないと

焦燥は月と共に膨らんで

強くならないと

心に何かが忍び込む前に



本当の哀しみや理不尽に
立ち向かわなければならない時
動けないなんて

許せないから


この嘘のような哀しみも虚ろさも

ほんの些細なきっかけで
いつか消える

どんなものにも永遠なんてない

辛い夜も、虚ろな朝も

哀しいけれど、素晴らしい時も


永遠じゃない


2009/01/29 (Thu)

[176] いつか終わる苦しみ
詩人:大示 [投票][編集]


水鏡の中を覗いて溜め息を吐く
何故、私は私なんだろう


指で弾いても粉々に
滑稽になるだけ


満ち足りた顔して私の水瓶に
浮かんでいる銀色の皿


何も、のせられていない
空っぽの満月なら

涙を受け止められる?


流れるままに溢して
満月を揺らした

鏡像ほど虚しいものはない
解っているのに


声が、嗄れるまで
涙が水に戻るまで

哀しみに流された


水瓶の中身が増えて
少し塩辛く感じたのは
決して、嘘じゃない


生まれ変わった青空の支配者が
全てを照らすとき

私の水鏡は空気にとけていった


2009/01/28 (Wed)

[175] 夢の卵
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分厚い殻の中で、膝を抱えて

カルシウムばかり生み出していた


泣き虫の僕は小鳥にもなれないよ

どろどろのぬるま湯に浸って

養分渇れるまで眠れたら
幸せだろうか


飛び立つ夢は靄の中で
薄れて行くのに

虚しさは色濃く広がって苦しめる


翼の形すら無いのに
空への憧れは毎夜訪れる

身分不相応、と笑われる前に
僕は定まらない身体を引き摺って

風化した殻を撃ち破り
無い翼を広げよう



他の翼を奪おうとは思わないよ
もう解っているんだ

引きちぎられるのが
どれほど、辛いか


空虚な翼があの青空に映える頃
今よりは

今よりは直視できる僕に
なっているだろう


遠ざかる大地に残した殻を
見下ろして


微かに痛む心を抱きしめたい

2009/01/28 (Wed)

[174] 想い密かに
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凍えた心の欠片が
奥深く眠っていた種を潤す

どんな悲しい冷たい水滴も
乾いた種の幸せ


あなたの全てを受け取って
咲くよ、あなたの為に


綺麗な花びらは
笑う風に吹かれて、

今咲いたよ、と
香り届くように


あなたに知られず咲くよ

あなたが泣いた、あの日を
想いながら


あなたを見下ろし咲くよ

あなたが笑う今に安堵しながら

2009/01/25 (Sun)
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