詩人:大示 | [投票][編集] |
なけなしの心を
空っぽの君にあげよう
いつか歩いてくれるまで
ぼやけた願いを込めて
たいして特別な想いで
作ったわけでも無いのに
愛らしい姿で見つめてくれる
変わることない
作られたカオだけど
気付けば抱きしめていた
君が歩けたらいいのに、なんて
勝手な願いだったね
腕の中のおとなしい君で
本当は充分だよ
この先ずっと、僕の特別
これからずっと、僕の友達
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あの時の君の笑顔が眩しくて
眼をそらした
目蓋閉じても焼き付いたように
浮かんでくる
僕の居場所は
『ここ』でいいのかな
否定されるのが怖くて訊けないよ
頭を肩に押し付けられて
撫でられた時に気付いたよ
僕の居場所は
『ここ』でいいんだね
確かめる様に君の顔を見上げた
忘れないよ、この時を
これから、どんな道を歩こうとも
時折光る希望が胸の中にあるなら
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君と一緒に眠りたくて
怖い話をしてみたよ
なかなか一人部屋に
行こうとしない
怖がりの君にアプローチ
わかっているよ、言われなくても
スマートじゃない
なんてことくらい
ただ、わかって欲しいんだ
暗い夜に、
独りで泣く必要ないってこと
ただ、わかって欲しいんだ
そんな時くらい
頼って欲しいと思っているヤツが
此処に居るってこと
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輝く、あなたの足跡が
生き下手な私の灯りになって
消えたはずの希望の欠片が
夢の意味を忘れた街を彩った
こんなに綺麗だったのか
いつも怯えながら歩いてたけど
こんなに静かだったのか
子守唄だって耳に届く
冷たいけれど心が騒ぐ
月の光と遠吠えと
甘い夜気を吸い込んだ
再会の願い事は
花火が止まったような星空に
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鉛色の大空に光る金貨を
投げ付けて
吸い込まれるように
昇っていくのを見送る
頼りない軌跡だけが
私の無意味な儀式を見下ろした
理屈も一緒に跳んでいったかな
あなたの本音も見破れないのに
心が勝手に走り出す
行く末を決める為
欲一枚投げたけど
どちらも表じゃ意味がない
不毛な俗な想いなど
一生無縁と信じてたのに
詩人:大示 | [投票][編集] |
バニラエッセンスな君に
5秒で、心奪われた
甘い香り、計算された罠
僕なんか容易かったかな
鏡の向こう側で舌出して笑う
バニラの魔女
魅了する、その香り
誰も逃れられず堕ちていく
柔らかい幻覚と
硬質な現実の苦味
勝てやしない僕なんか
どうか、いっそこのまま
バニラエッセンスの君でいて
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生きる為の力を求めて
排他的な嵐の中で
傷付いた僕の影のような
あなたに出逢いました
砕け散った白い牙は
定めた夢に突き刺さらずに
星屑のように美しく
流れて夜の裏側へ
傷の舐め合いなど許されぬままに
ザラザラに荒れ果てた、この道を
独り、歩いていく
折り重なった瓦礫の山
乗り越えて進む君の姿に
遠い日の僕を見た
足場になろう、君の為に
必要ならば翼だって手に入れて見せるよ
銀色の満月のように
暗い闇夜を打ち払いながら導こう
そして、いつしか夜明けの太陽となって君を照らそう
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狐の花道
篝火が照らす
カタカタ囁く竹の林
夢幻に鳴り響く
狐の花道
お顔のお面は
朱色の化粧に金の眼
うつつを見通し微笑む
狐の花道
鳥居の扉は
オイデオイデと
はぐれ子見つけて音立て開く
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砂漠化した空気に
声を震わせて
オアシスの花のような
君の名を叫ぶ
こんな場所にいても
愛しい姿が滲んで見える
砂海に佇む君に似た女神が
僕に向かって手を伸ばす
忘れられた古のアート
風化した姿とは裏腹に
沈みゆく陽を背負い
神々しく煌めく
情けないほど
どうしようもなく
君に会いたい
デザート・ローズは要らない
オアシスの花に会いたい
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その瞳に魅入られた娘は
恋した事すら忘れて
美しい一体の
彫像と成り果てた
愛した者さえ
暖かいまま抱くことさえ叶わず
月に照らされた
生まれたばかりの彫像を眺めて
溜め息を吐いた
狂おしいほどの愛は在るのに
君が、こんな姿じゃ
受け止められないね
君じゃないと無意味だよ
僕の愛は君の為に在るのだから