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大示の部屋  〜 新着順表示 〜


[163] 雪上臈【改】
詩人:大示 [投票][編集]


暖かい貴方が恨めしい

触れられない切なさは
夕日を白く塗り潰した

温もりを冷まして
私が寄り添えるまで


冷たい身体が哀しい

この唇すら真っ白で
朱色の紅で染めました


あなたが火にあたるころ
私は枯れ木に花を咲かす

真っ白な雪の花
哀しみの数だけ花開く




暖かい季節に変わり

触れられない恋しさは
雪の花を薄桃に

紅の唇で白に口づけし
美しい桜になった

花咲く身体が誇らしい

一枝残らず咲き乱れ
枯れた想いも咲きました

あなたが触れた桜の花は
私の心、伝えましたか



あなたが抱きしめてくれた頃は
あの日と同じ夕焼けの刻

2009/01/16 (Fri)

[162] 三番目の車両で
詩人:大示 [投票][編集]


隣の、あなたに背を撫でられた
ただそれだけで、凍えた心暖まった

少し顔赤らめて景色見るふりの
とても照れ屋な
あなたに心震えた

いつもの駅で降りて行く
猫背気味の後ろ姿を見送って
窓越しで初めて目が合った

何故、今見つめるの
ずるいよ、あなた

『ありがとう』も『好き』も
言わせないままに
独り、帰っていくの


明日になれば、また会えるかしら


いつもの車両で待っています


2009/01/15 (Thu)

[161] ストッパーの記憶
詩人:大示 [投票][編集]


一握りの心の欠片
もう一度、輝けと飲み込んだ

遠い微かな柔らかい記憶
膨らんで弾けた

消えないものなんだね
僕自身が忘れていても

こんなにも胸が熱くなる
微笑む、あなたの顔を思い出して


どんなに崩れていても
記憶が心が無くなるわけじゃない

諦めないで
心が叫んでいる
粉々の欠片が光ってる

ここにあるんだと
叫んでいる


2009/01/15 (Thu)

[160] 白い花の旅
詩人:大示 [投票][編集]


白い花が青い空に流れて
遠い町に辿り着いた時

想い語る恋人達は
穏やかな季節を感じ

閉ざされた命も蘇り衣を変える

白い花は柔らかな風に寄り添って
空を駆け巡る


甘い香りはあの人を思い出す
この世界の何処を探しても
あなたはいないのに


今だけ許して
泣き虫の僕を

もう立ち止まらないよ

季節も命も巡っているのだと
ようやく、思い出せたから

2009/01/15 (Thu)

[159] 夢カザグルマ
詩人:大示 [投票][編集]


優しい呼び声に導かれて
僕は歩いていく

たくさんのカザグルマの道を
灯りもなしに歩いていく

一つだけ手にしたカザグルマ
ふっと吹いて笑った


手をひく人もなし
手招きする人もなし

風吹く道を辿ってく


からから、回るカザグルマ
お気に入りのカザグルマ


くるくる、回るカザグルマ
冷たい風とカザグルマ


2009/01/14 (Wed)

[158] 静かな声で
詩人:大示 [投票][編集]


泡立ち消えていく
数多の生命

沸き上がる激情を
静かな声で歌いながら



貴方が訪れるまで
あと何れくらい

冷えきった指先で星を数える

数えきれなかった
流れ星が海に沈む頃

暖かい何かが頬を伝った


流れた涙には願いを叶える力など無く

同じ味が蠢く海に
ただ還っていく


立ちはだかる波を越えて
暖かい貴方の元へ

重ならない歌声は
独り夜空に溶けて

信じたのは貴方の温もり
囁き交わした一つの言葉


泡立ち消えていく
数多の生命

沸き上がる激情を
静かな声で歌いながら


泳ぎ疲れた

私を抱き止めてくれた

貴方は今、何処に


2009/01/14 (Wed)

[157] 二人きりの秘密
詩人:大示 [投票][編集]


別れを惜しむは
寂しくも嬉しいことよな

共に在った時が足りない
そう思える人と会えたんだものな

涙、堪えるな

なあ、いっそ大泣きするのも
良いじゃあないか

抱き合って、二人泣くのも
良い思い出よ


2009/01/04 (Sun)

[156] ピアニスト
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ほっそりとした長い指が
白と黒をいったり来たり

静かなワルツに情熱タンゴ
踊るのは貴方の指先

器用すぎる指先は
いつでも私を翻弄する

踊ってみましょうか
しらべに乗せて

貴方はマジシャン
指先一つで私を支配する

2009/01/04 (Sun)

[155] いろんな力
詩人:大示 [投票][編集]


誰が為の、力ですか
あなたに守るものはありますか

何の為の、力ですか
ただ威張り散らすだけの力
それに何の意味がありますか

せっかくの類い稀なる力

どうか
悲しいことに使わないで

必ず別の使い方が
あるはずだから

2009/01/03 (Sat)

[154] 大きな、のっぽの。
詩人:大示 [投票][編集]


大きな、のっぽの
あの人の思い出語るとき

胸の奥で輝いてる
記憶の宝箱

あの時、抱きしめた温もり
今もこの身体に


今もまだ動いてる
私達の歯車

2009/01/03 (Sat)
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