詩人:百年草 | [投票][編集] |
花のような火より
火のような花の方が
いいね。
でも花火は空に咲くけど、火花は散るだけなんだ。
線香花火が咲かせた火花を眺めながら貴方は言った。
私は少し笑って、
この時間が終わってしまわないように、その花の種が散ってしまわないように願いながら、じっと眺めていた。
ある夏の終わりに。
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何度も呼んだ
君の名前を
あと
何度呼ぶんだろう?
君がそんな顔を
してるから
余計に哀しい別れに
思えてくる
ほら、笑って?
嘘でもいいから
君には前を見て
歩いて行って
ほしいけど
今だけは
振り返って
思い出して
少しは楽しい事も
あっただろ?
だから、ね?
もう泣かないで
笑って
笑って
君の笑顔で
僕は何度も救われた
だから…
さよならの前に
君の笑顔に
ありがとうが
いいたいんだ
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誰しも皆
一年に一回
歳をとる
歳をとるにつれて
やらなきゃならない事が増えていく
でも、やりたい事は減っていく
もっとやりたい事をやっておけばよかった
そう後悔しながら
今日も同じ事の繰り返し
明日もまた同じ事の繰り返し…
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はじめて
アナタと二人だけで
並んで歩んだ道。
咲いていたのは
名前も知らない
水中花。
今日まで二人
出会わなかったのは、
運命のヒトだと
すぐに感じる事が
できるように。
アナタも同じ事を
感じていますか?
いつのまにか
私たちは足を止めて、
いつまでも
風に揺れるその花を
眺めていました。
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僕はただ歌ってた。
旅立つ君に、
他に何もして
あげられないから。
君はここのところ
ずっと忙しそうだった。
旅立ちを前に、
僕はすっかり
忘れられていた。
そういえば、
童話のキリギリスも
ずっと楽器で
歌ってたらしい。
この唄が少しでも
君に届いたらいいな。
働きアリみたいな君は、
荷造りなんて
簡単に済ませて。
『準備万端』
って得意げな顔で
僕にサヨナラを
告げるんだ。
僕は精一杯の
作り笑顔で
君を見送るけど、
どうしても
悲しい唄になる。
強すぎる君へ。
弱さを見せない君へ。
僕が君に贈る
最後の唄は、
やっぱり愛の唄。
君がいつか
僕を思い出して
笑ってくれたら
もうそれだけでいいや。
童話のキリギリスは、
努力しなかった事を
悔いる役回りだから。
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海辺に咲く花
石蕗の花
私の知る
数少ない花の名
秋、風に揺れる
その花を眺め
私は貴女を思い出す…
その花の花言葉のように
また貴女と
共に在りたいと想うには
私は大人になりすぎた
海辺に咲く花
石蕗の花
これからも
この花を見る度に
私は貴女を思い出し
過ぎた季節を懐かしむ
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愛を語るだけなら
愛を知らなくてもいい
愛を伝えたいなら
愛を知らなければならない
僕の愛のカタチは
思ってたより歪で
人に伝えるのは
ちょっと難しい
それでも愛すべき人が
いてくれたなら
僕のこの歪な愛も
いつかは丸みを帯びてくんのかな
そうだったらいいな
そうだったらいいな
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息が白く変わる程ではない。
少し肌寒い日。
繋いだあなたの左手は、
とても温かかった。
あの日のあなたの温もりは
今も私の胸の中に。
あの日と同じ温度で…。
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花の香りが
苦手なワタシも
近くの公園に咲く
ギンモクセイの
香りだけは別だった
あの人にさよならを
告げられた時も
大切な友達と
ケンカした時も
心地良い風と共に
立ち上がる勇気をくれた
そういえばそろそろ
花の咲く季節
窓から吹く風は
少し甘い香りがした
…気がした