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百年草の部屋  〜 新着順表示 〜


[7] 色のない草
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僕は色のない草。

赤でもないし、

白でもない。

まして緑でもない。

蕾がないから
花は咲かないし、

花がないから
実もならない。

それでも何故か
ここにいる。

根をはって、
生きている。

そうさ
僕は生きている。

そうだ
僕は生きてゆく。

2009/09/17 (Thu)

[6] ムラサキケマン
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止みそうで止まない
小雨は降り続く。

いつもの帰り道。


君の笑顔を

思い出す。


まるで人目を
避けるように

紫華鬘の花が
咲いている。

僕と陰とを

眺めながら。

傘もささずに
歩く道。

最後に見た君は

泣いていた。

紫華鬘は

僕に優しく

微笑むように

咲いている。

この花のように

強くあろうと、

心密かに

誓いを立てて。

今はまだ

空と同じように、

泣いてみる。

2009/09/15 (Tue)

[5] 雪中花
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瞬きする度
変わってゆく
景色の中で

人知れず咲く
花がありました

雪に埋もれる
その花は

あなたのように
凛々しくて


目まぐるしく
変わってゆく
この世界で

必死に咲いた
花がありました

時間(とき)に
埋もれたその花は

あなたのように
儚かった…

二人で歩いて
残した足跡

雪に残る
その足跡は

今はもう一つ

それでもあなたを
思いながら

一歩、一歩を
踏み締める

『私はあなたに
近付いてるの?』

答えのない疑問を
抱えながら

ゆっくりと、歩く

雪に眠るその花を

踏み潰して
しまわぬように

ゆっくりと歩いてく

2009/09/15 (Tue)

[4] 山茶花梅雨の頃に
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山茶花梅雨の頃に

決まってあなたを
思い出します

冷たい雨に濡れる
そのキレイな花が

まるで泣いている
あなたのようだから


いっそ雪に変わって
しまえば

涙には見えなくなる
のでしょうが…


山茶花梅雨の頃に

あなたは
泣いていました

泣かせたのは
僕でした

ごめんねも
ありがとうも

伝えられないままですが

今でもあなたの
幸福を祈っています


いつのまにか空は
泣き止んで

そのキレイな花は
光と一緒に笑っていました

2009/09/15 (Tue)

[3] 竜胆の花言葉
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ゆら…、

ユラ…。

秋風に揺れる。



紫色の花が、
優しく、
咲いている。

花の前には、
涙を流す一人の
少女がいた。

肌寒い風に
吹かれながら、
少女は目を腫らす。


花は揺れる…。


それはまるで、
少女に
語りかけるように。

そんな花を見て、
少女はまた涙した。

私はなにも聞かず、
一つだけ
教えてあげた。

竜胆の花言葉。

…。

『悲しんでいる

あなたを愛する』

2009/09/28 (Mon)

[2] コスモス
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その少女は
白いコスモスを
一輪摘んだ。

花びらが一枚、一枚
ヒラヒラと舞う。

ふと、最後の一枚で
手が止まる。

そして、もう一輪摘む。

今度は桃色のコスモス。

思わず私は
『花びらの数が
奇数なら¨好き¨から
偶数なら¨嫌い¨から
はじめればいいのよ』

なんてお節介

すると少女は私に言った

『嫌いからはじまる恋愛なんてないでしょ?』

少女の純真美しく。

秋空に、映える。

2009/11/23 (Mon)

[1] 百年草
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私達は悩む

そして求める

それはまるで

一時の幸福を

永遠のように

錯覚させる

麻薬のよう。


それでも求めるのは

知っているから

錯覚が産む奇跡を

奇跡が産む永遠を

だからまた恋をする

百年後もその先も

きっと永遠に恋をする

2009/09/15 (Tue)
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