詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
くもは ないみたいだ これならながれぼしをみつけられるよ
ねえ ペルセウスってどこ オリオンならすぐにわかるんだけど ほらあっち
たしか あそこらへんかなあ きたからひがしのそらにでるらしいよ
なんだかわくわくするね ふたりきりでよぞらをみてさ ねがいごとのためにまつって
いやほんと どきどきしっぱなしだよ こっちのおもいどおりにならないし
そうなんだよね あっ いまながれたんじゃない ちゃんとみてたの
もちろん けっこうながいことながれてたなあ
それでさ ねがいごとはまにあった
まにあわなかったよ もうすこしじかんがあればなあ
そういえば はやぶさがなんとかって いってなかった
ああ なんかイオンエンジンがすごいとか キセノンをふんしゃするとき マイクロはをつかうって
ぜんぜんわかんないんだけど またしったかぶりじゃない
そろそろかえろうか あしたはやいんだし
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レインボウの架かる朝は きみが新たな小舟を漕ぎ始めて
つまんない日常をしばし忘れるひと時
初めての物語へと開かれた 波止場から沖合を望めば
たった独りで大魚を狙う老人と海がある世界
ピンチに襲われながら死闘を制するが 獲物をことごとく鮫に奪われて
しょっぱい顔をして挫折を味わった帰途
無謀で血なまぐさい失敗談だって きみの旅心をくすぐる逸話となる
にわか雨がやめば暑気ばらいに鰻をほおばる昼食
チョコレイトは真夏の陽ざしで蕩けた そういえば烏が四羽で舞ってたっけ
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夕やみが迫れば きみはその足で歩くのか
青と白とが 混じりあう大河で 麦を培う土壌を
星の数多に瞬くまで 太陽の輝きを反射する
金字塔が築かれる全容を きみは傍らで観察したのか その悠久な歩く目で
砂丘に埋もれてゆく 生命を象る本質を尋ねて
朝は四本足 昼は二本足 夜は三本足で歩く
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虫や魚群や 島民さえも影を潜めるとき おれは岩窟で寝転がり肉に手をつけるんだ
椰子の葉そよぐ大地に包まれながら 焦げるほどの極暑で乾ききった昼だ
あの淀んだ水たまり 悲鳴をあげる葦原 荒れ果てた平野 澄みわたる青天のもとで食らう
袋をほどき骨までしゃぶるのは 旨みをたっぷり含んだ 期待どおりに血をたぎらせる活力の源
おれはこうして共同体から 落ちこぼれるんだ そのうちに島への光が閉ざされ 闇におおわれる
沈む心 底なし沼 舟と櫂 もしくは昼の花火だったり いくつもの集会所だったり
巨像の残骸は土にうずもれ 島が海からの波しぶきで 砂浜のあたりを潮でぬらされる
ただ精魂や 鳥の卵を獲る者が復活しようとも おれが思うに 食は究極の惑わしと言えよう
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青銅は微光を放ち
怪しく浮かびあがる 突き刺さるほどの眼差しと 宙を舞うような空耳で
おれは威圧されて足がすくむ 聖獣が猛り狂いながら
雷を響きわたらせ 稲妻で夜がまたたくのか おれを脅かす幻影は
竜の仮面で襲いかかり 三つの星をうずたかく覆ってしまい惑わせて
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置き去りにされ 記憶の色あせた 天空に迫る城砦
歴史の闇を漂う 崩れ落ちた帝国
斜面に築かれた 畑を囲む石段や 謎の封じる祭壇
太陽と月だけが 照らし出す秘密
何を用いて刻み 運搬し積んだか 絶壁に眠る技術
黄金に彩られて 栄え滅びた文明 思いを馳せては 独り呟いた呼称
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おれはラクダのこぶに乗り
岩の裂け目を縫って進もう
バラ色の殿堂そびえ
荘厳に咲き誇る
あの隠された秘都の地へ
ダムを築いて水を操り
栄えたと遺跡は証す
いつの日か伝説に
眠るとされる財宝が
パピルスにより脚光を浴び
劇的に発見される
うたかたの幻か
歴史のカギを置き去りに
オリエントから消えた語り部
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ダイナミックな幹事
叩かせなさい 叱らせなさい
召させなさい 叶わせなさい
合わせなさい 吐かせなさい
向かせなさい 叫ばせなさい
吸わせなさい 呑ませなさい
吠えさせなさい 含ませなさい
吹かせなさい 告げさせなさい
呆れさせなさい 呪わせなさい
味わわせなさい 呼ばせなさい
咽ばせなさい 咲かせなさい
唄わせなさい 唱えさせなさい
商わせなさい 喋らせなさい
喜ばせなさい 嗅がせなさい
嗣がせなさい 噴かせなさい
囁かせなさい 囃させなさい
アンバランスな莞爾
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きみは今いずこ
魂を揺さぶる音色を響かせて おれの陰惨な心を癒やす
その麗しい悲鳴を耳にすれば すっかり苦悩に満ちた感情を魅する
魔が差しそうな瞬時を捕らえ おれの脳髄に刻まれた記憶を濯ぐ
この意識に宿る鈍重な塊を うっかり醜い舌頭で解かす
きみに委ねたい
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むこうにいる穿山甲のおかしな有様といったら
たとえるならば宇宙に押しつぶされて ボロボロになったみたいなうろこだなとつぶやいたら
おれ様のとんがった鼻先がブルブル震えを起こした
じっとにらんでいると ありのままで宇宙がビクビクしがみついてピカピカひかる