詩人:理恵 | [投票][編集] |
窓を開けたら冬の匂いがして
白い息が口もとで消えた
もわりと浮かんで溶けてくそれは
いつの間に今年もやって来たんだろう
部屋に満ちた冷たさを悟って
窓を閉めたのになぜか
まだ感じていたくて
袖を通したフリースの
暖かさは冬を見せつける
なんべんも回った暁に
僕は何を期待するだろう
僕に何を期待するだろう
瞳閉じたら明日の気配がして
不安になってスマホを見る
眠れるよと謳うメロディーに
あしたの自分を願って丸くなる
思うよりも世界は小さくて
それでもやっぱりなぜか
まだ殻は破れなくて
袖を通した制服と
窮屈さは今も変わらない
一度だけ通ったはずの道
でもなんべんも通ったみたいだ
少しだけ 目線が変わった
少しだけ 季節が変わった
少しだけを積み重ねては
少しだけの絶望に顔を埋める
袖を通した今日の服
制服 スーツ 作業服
なんべんも回った暁に
僕は何を期待するだろう
僕に何を期待するだろう
僕は何に期待するだろう
僕は何を期待できるだろう
2022.12.12
詩人:理恵 | [投票][編集] |
いま
しあわせですか
どんな容態ですか
あなたがどんなふうになっても
しあわせならそれでいいのです
画面の向こうは
やはりしあわせでした
誰も私を知らない世界は
しあわせでした
正直
私が他人を怖がっているから
遠ざけている部分もあるけれど
ただただ
楽しい時間をくれる人がいたということだけは
言っておきましょう
あなたはしあわせですか
わたしはまだ時々
あなたを思い出します
でも、出てくる言葉は
あなたはしあわせですか
だけなのです
私を楽しくしてくれた人たちも
幸せでしょうか
ただただ
しあわせであってほしいと
願うばかりです
2023.2.5.